福野夜高祭

福野夜高祭の概要

福野夜高祭（ふくのよたかまつり）は、富山県南砺市福野地域の市街地で毎年5月1日から3日にかけて開催される春季祭礼です。この祭りは江戸時代中期から続いており、福野神明社を中心に行われています。特に5月1日と2日の宵祭りでは、夜高行燈が練り回され、3日の本祭では4基の曳山と1台の屋台が巡行します。

歴史と由来

福野町の前身である福野町は1650年に設立され、1652年には大火によって壊滅的な被害を受けました。町民は再建を急ぎ、その際に神明社を建てるために伊勢神宮から分霊を迎える使者を送りました。この使者が倶利伽羅峠付近で夜を迎えた際、町の人々が行燈を持って出迎えたことが祭りの起源とされています。この地域では他にも夜高祭りが行われていますが、それらは神事とは異なり、主に田植えが終わったことを祝う田祭りの習慣に基づいています。

晩秋と宵祭り

祭りの主な行事は宵祭り（5月1日）と本祭（5月3日）です。宵祭りの間、地域の7町が制作した合計23基の行燈が練り回されます。これらの行燈は木枠や竹枠、針金などを使い、華やかに彩色された和紙が貼られており、夜になるとその美しさが際立ちます。行燈コンクールや引き合いという喧嘩祭りも行われ、観客を楽しませます。

本祭の様子

本祭では、午前9時40分頃に中心部の交差点で曳山と屋台が揃い、出発式が行われ、福野神明社に向けて出発します。この日には神事や庵唄が奉納され、曳山は各町内を巡行します。曳山の設立時期は明確ではありませんが、文献によると1826年以降に曳山が行われ、2043年には4基全てが揃って巡行するようになりました。

文化財と保存活動

福野夜高祭は、2004年に県の無形民俗文化財に指定され、曳山は有形民俗文化財としての指定を受けました。さらに文化財百選にも選定されており、地域の文化資産としての重要性が高まっています。これらの祭りの保存や継承を目的として、最近では様々な団体が協力して活動を行っています。2024年には新たな協議会が設立され、より具体的な祭りの保存と発展が期待されています。

夜高行燈の魅力

祭りでの目玉となる夜高行燈は、高さが約6.36メートルにも達し、夜空に浮かび上がる姿は圧巻です。大行燈は特に精巧で、色とりどりの和紙で作られた装飾が施され、夜に火が灯ると幻想的な雰囲気を醸し出します。過去には文久年間の夜高行燈が復元され、さらなる魅力を発信しています。

祭りの中止と今後の展望

しかし、2020年から2021年にかけての新型コロナウイルスの影響により、祭りの一部行事が中止され規模縮小が余儀なくされました。それでも、地域の人々はこの伝統を守り抜くために努めています。今後も福野夜高祭は、地域の文化と祭りの継承を目指し努力し続けることでしょう。

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