秘密の扉

秘密の扉

『秘密の扉』は、1976年4月1日から9月30日まで、NETテレビ（現在のテレビ朝日）系列で放送されていたクイズ番組です。毎週木曜日の19時30分から20時までの30分間、視聴者はこの番組を通じて、様々な分野の興味深い秘密に触れることができました。

番組の概要

この番組の最大の特徴は、特定の人物、事物、グループなどが持つ「秘密」をクイズの題材にしていた点です。クイズの対象となるものがスタジオの扉（ゲート）から登場する際の演出も凝っており、人物の場合はゲートの電飾が赤色、事物の場合は緑色、グループやその他の場合は青色に光るという視覚的な効果も楽しめました。

司会は、当時人気絶頂だった高島忠夫が担当しました。解答者には、麻生良方、酒井和歌子、山内賢の3人がレギュラーとして出演し、さらに毎回1人のゲスト解答者が加わって、クイズに挑戦しました。特に、5代目月の家圓鏡（後の8代目橘家圓蔵）は、準レギュラーのような形で複数回出演し、番組を盛り上げました。

解答方法は、挙手によるものと、自信のある問題に対しては解答者席のボタンを押し、「高島人形」を出して答えるというユニークな方法がありました。挙手での正解は1点でしたが、高島人形を使った正解は2点と、より高いリスクを伴う分、得点も高くなっていました。しかし、不正解だった場合には「ミジメ」となり、解答権を失って後ろを向くというペナルティがありました。

番組開始にあたり、前番組のスポンサーであったロート製薬が降板したため、新たなスポンサーを探す必要がありました。

番組セット

番組のセットは、3つの扉を囲むように大理石風の装飾が施されていました。扉はラワン材で作られ、大理石風に見える建物部分は発泡スチロールで作られていました。電飾にはネオン管が使用され、扉が開く際の「ギィーッ」という重厚な音は効果音で演出されていました。

セット全体の高さは4m10cm、幅は8m20cm、扉の厚みは約20cmという、かなり大掛かりなものでした。このセットを手掛けたNET制作局美術部のアートディレクターは、「神秘さを出すために、あえて現代的なデザインとは逆のクラシック調にした」と語っています。セット制作にかかった費用は、ネオン管を使った装置に約150万円、大理石風の建物に約250万円、その他の経費を含めると総額約500万円に達したと言われています。このことからも、番組制作にかける意気込みが伝わってきます。

『秘密の扉』は、そのユニークなクイズ形式と豪華なセット、そして高島忠夫の軽快な司会によって、多くの視聴者に愛された番組でした。

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