空軍州兵

空軍州兵（ANG: Air National Guard）

空軍州兵は、アメリカ合衆国における軍事組織の一つで、州兵の一部として陸軍州兵と連携しています。彼らは平時には各州の知事の指揮の下で運営され、必要に応じて連邦軍に編入されることで、国家の防衛に寄与しています。

1947年、アメリカ空軍が分離独立する際に設立された空軍州兵には、その前身となる陸軍州兵航空隊があり、これは1915年までさかのぼることができます。空軍州兵は、戦闘機、爆撃機、輸送機、空中給油機など、様々な航空機を保有し、それぞれが特定の役割を果たすことができます。

大きな歴史の中で、朝鮮戦争の際には66個の飛行中隊が編成され、米軍に編入されました。また、1961年のベルリン危機においても部隊が召集されましたが、ベトナム戦争では大規模な動員が行われることはありませんでした。このように、空軍州兵は時折、さまざまな国際的な緊急事態に応じて迅速に対応する役割を担ってきました。

1970年代、空軍では航空宇宙防衛軍団（ADC）が廃止され、そこで使用されていた多くの要撃機が空軍州兵に移管されました。その結果、彼らはアメリカの本土防衛を強化する重要な役割を担うことになりました。特に1980年代に入ると、F-15戦闘機（A/B型）が配備され、空軍州兵は予備空軍としては前例のない存在へと成長しました。

1991年の湾岸戦争以降、空軍州兵はその部隊活用にさらなる注力がされ、対テロ戦争の際にはアメリカ本土の警戒飛行も担当していました。この過程で、1990年代には新型のF-15C/Dが配備され、その老朽化したA/B型は徐々に退役していきました。2009年には、オレゴン空軍州兵において最後のA/B型が退役しました。

また、B-2「スピリット」ステルス戦略爆撃機や、2010年にはF-22戦闘機も空軍州兵に配備され、彼らはもはや単なる予備軍ではなく、アメリカ空軍の正規部隊として運用されています。これに伴って、空軍州兵の有人構成も多様化し、フルタイムで勤務する人員と民間航空に従事するパートタイムの人員が共存しています。

空軍州兵は、現代においても重要な軍事的役割を果たしており、その組織は国防の重要な一翼を担っています。また、各州における訓練や演習を通じて、彼らは常に対応能力を維持し、日々変化する国際情勢に備えています。

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