笹目川

笹目川について

笹目川（ささめがわ）は、埼玉県さいたま市南区と戸田市を流れる荒川水系の一級河川であり、別名砂田堀（すなだぼり）や中央排水路（ちゅうおうはいすいろ）と呼ばれています。この川は、約5キロメートルの距離を持ち、さいたま市南区の白幡沼から戸田市の笹目樋門を経て荒川に合流しています。昭和10年に人工的に開削され、水捌けの悪い地域の農地改善を目的として整備されました。

地理的特徴

現在の笹目川は、ほぼ真っ直ぐ南に流れる様子が特徴的です。特に武蔵浦和駅や国道17号の近くでは、開渠が存在し、ここからは川の水の流れを見ることができます。しかし、通常は上流部の約1キロメートルでは流れがほとんどなく、下流部においても水が滞留し、悪臭が発生することがあります。しかし、大雨の後には、国道17号に設けられた水門が開かれ、浦和区の高台から流れ込んだ水が岸町緑道の地下を通じて一斉に流入し、濁流となって川を満たします。

環境の変化

かつての笹目川は、悪臭が漂い水質も極めて悪く、多くの生き物は生息できない環境でした。しかし、近年では護岸工事の実施や地域の市民団体、自治体による清掃活動が行われ、少しずつ水質改善が進んでいます。また、下水道の整備も強化されており、これらの取り組みにより淡水魚の鯉やメダカ、そのほか小型のカニやエビ、さらにはシラサギやカモ、カワウといった野鳥も見られるようになりました。特に2005年から2006年にかけては、カワセミも観察されており、地域の環境が改善されていることを示しています。

観光と憩いの場

戸田市では、笹目川の沿岸に「笹目川遊歩道」を整備し、多くの花や植物、木々を植え、憩いの場や散歩道として親しまれています。この遊歩道にはベンチや石像が設置されており、地域住民や観光客にとって心地良い場所となっています。さらに沿岸エリアにおいても、芦原橋と山宮橋間では積極的に花壇が設置され、地域の美観を保つ努力が続けられています。

支流と橋梁

笹目川には多くの支流が存在しており、これには別所排水路、見沼代用水西縁（辻用水）、沼影排水路などが含まれます。また、橋梁も多数存在し、中曽根橋や白幡橋、内谷橋などがあり、川の利便性をさらに高めています。

まとめ

笹目川はただの排水路ではなく、地域住民にとっての憩いの場でもあります。水質改善の努力や環境保護の活動により、かつての河川の状態から大きな変化を遂げています。地域全体がこの川を中心に発展し、今後もさらなる環境保全が期待されます。

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