箱根ラリック美術館

箱根ラリック美術館：アール・ヌーヴォーの輝きとオリエント急行の夢

箱根ラリック美術館は、神奈川県足柄下郡箱根町仙石原に位置する、フランスのガラス工芸家、ルネ・ラリックの作品に特化した美術館です。アール・ヌーヴォー、そしてアール・デコ様式という、異なる二つの美術様式を彩ったラリックの芸術世界を、多角的に堪能できる施設として知られています。

充実の収蔵品と常設展示

美術館は、ラリック作品のコレクターとして名高い簱功泰氏によって設立されました。約1,500点にも及ぶ膨大なコレクションを誇り、その中から厳選された約230点が常設展示されています。初期の繊細なジュエリーや装飾品から、中期を代表する華麗なガラス作品、そして後期の建築装飾に至るまで、ラリックの創作活動の軌跡をたどる貴重な機会が提供されています。展示は年代順に並べられているわけではなく、テーマや作品の種類ごとに配置されているため、多様な視点からラリックの作品を楽しむことができます。展示室は、作品を美しく見せる照明や配置に工夫が凝らされており、鑑賞者の心に深く響く演出がなされています。

特別展示：オリエント急行の夢

美術館の大きな魅力の一つに、「特別展示 ル・トラン」があります。ここでは、ラリックが室内装飾を手がけた、往年の豪華列車「オリエント急行」の車両（コートダジュール型プルマン車 No.4158E）が展示されています。この車両は1988年に「オリエント急行’88」として日本を走行した歴史を持ち、現在はカフェとして営業しています。ラリックの芸術に触れながら、優雅なカフェタイムを過ごせる、他に類を見ない空間となっています。本物のオリエント急行の車両で、紅茶やスイーツを楽しみながら、歴史と芸術に浸れる時間は、まさに贅沢なひとときと言えるでしょう。窓から見える箱根の景色も相まって、忘れられない体験になるはずです。

美術館の施設とアクセス

箱根ラリック美術館は、ミュージアム、ショップ、カフェレストランの他に、前述の「特別展示 ル・トラン」を備えています。建物自体も美しく、2006年度には日本建設業連合会主催の第47回BCS賞を受賞しています。

アクセスは、箱根湯本駅から箱根登山バス、または強羅駅から施設めぐりバスを利用できます。バスタ新宿や東京駅からの高速バスも利用可能です。箱根観光の際に、ぜひ訪れていただきたい場所の一つです。

建築概要

最後に、美術館の建築概要についても触れておきます。敷地面積は約3,934坪、建築面積は約767坪、延床面積は約1,388坪と、広大な敷地を誇ります。建物高さは17.17m、地下1階、地上2階建てとなっています。広々とした空間で、ゆったりとラリックの作品を鑑賞できるよう設計されています。

まとめ

箱根ラリック美術館は、ルネ・ラリックの芸術を深く理解し、堪能できる、素晴らしい美術館です。豪華なオリエント急行の車両でのカフェ体験も加わり、箱根観光の新たな魅力となっています。箱根を訪れた際には、ぜひ足を運んで、アール・ヌーヴォーの世界に浸ってみてください。

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