範馬刃牙

範馬刃牙

範馬刃牙（はんま バキ）は、板垣恵介による格闘漫画『グラップラー刃牙』シリーズの主人公であり、物語の中心人物です。シリーズを通して、彼の成長と強さを求める戦いが描かれています。

プロフィール

• - 名前の表記: 「範馬バキ」と表記されることもあります。初期シリーズでは「範馬刃牙」、後期シリーズでは「バキ」と表記されることが多いです。
• - 年齢: 13歳（幼年編）、17歳（地下闘技場編～）、18歳（『範馬刃牙』～）、19歳（『バキ道』）。おおよそ1977年～1978年頃の生まれです。
• - ファイトスタイル: トータル・ファイティング（徳川光成曰く、範馬刃牙流格闘術）。特定の格闘スタイルに固執せず、対戦相手に合わせて臨機応変に戦います。
• - 身長: 13歳時155cm、17歳時167cm、18歳時168cmと成長しています。
• - 体重: 13歳時65～66kg（自衛隊による推定）、17歳時71kg、18歳時76kgと、体格も成長と共に変化しています。
• - 声優: 複数の声優が担当しており、アニメやゲームなど、メディアによって異なります。主な声優は、菊池正美、山口勝平、KENN、島﨑信長です。

概要

17歳という若さで、世界中の格闘家が集まる地下闘技場のチャンピオンに君臨しています。彼の父親は、地上最強の生物と称される範馬勇次郎。母親は朱沢コンツェルンの総帥・朱沢江珠。異母兄にジャック・ハンマーがいます。

外見はごく普通の高校生ですが、幼少期からの過酷なトレーニングと実戦経験によって、全身に無数の傷跡が刻まれた筋骨隆々の肉体を持っています。その圧倒的な実力から、日常的に不良との喧嘩に勝利し、彼の自宅には「刃牙死ね」といった落書きが多数あります。学業の成績はあまり良くありませんが、幼少期から外国人トレーナーに指導を受けていたため、英会話は流暢です。

当初は、母親を殺害した父への復讐を戦いの動機としていましたが、物語が進むにつれて、父親の強さを誇りに思うようになり、ある程度は互いを認め合うようになります。また、母親については、命を懸けて自分を助けてくれたことから、愛情を十分に感じていたと語っています。

作中では、多くの登場人物が死傷していますが、刃牙は誰一人殺していません。しかし、戦いで相手の命を奪うことを否定しているわけではなく、状況によっては殺意を持って戦うこともあります。刃牙は、「地上最強」ではなく、父親を超えることのみを目標としています。また、勇次郎とは異なり、自然に対して尊敬の念を持ち、小虫であってもその能力を高く評価しています。

キャラクターモデル

キャラクターのモデルは、総合格闘家の平直行が元になっています。作者の板垣恵介は、平の試合記事から主人公の骨格を構築し、キャラクターの大きなヒントにしたと語っています。また、外見上のモデルはイラストレーターのおおた慶文の描く少女であり、それを模写した上で男性的な要素を加えたとされています。全身の傷跡は、漫画『カラテ地獄変』に登場する死刑執行人レスラーがモチーフとなっており、一撃で相手を屠る勇次郎とは対照的に、刃牙の精神的な甘さを表しているとされます。名前の「範馬」は「ハンマー」から、「刃牙」は「バキッ！」という擬音から取られています。

ファイトスタイル

組技に特化したファイトスタイルではなく、幼少期の範馬勇次郎式トレーニングや近代的なトレーニングを基盤に、独自の格闘術を培っています。腕固めや剛体術、カウンター回転蹴りなど多彩な技術を持ちますが、特定の技に固執せず、相手に合わせて臨機応変に戦います。リアルシャドーの鍛錬により、若年ながらも豊富な格闘キャリアと知識を有しています。また、他の格闘家の奥義を即座に真似る能力も持っています。才能や血筋に恵まれているものの、努力を怠らず、戦うことに対する執念は父親に勝るとも劣りません。

技

刃牙は、数々の強敵との戦いの中で、様々な技を習得してきました。以下に代表的な技を解説します。

• - 腕固め: 初期によく使用していた技です。
• - 金的蹴り: 人体の急所である金的を狙う攻撃。ズールやマホメド・アライJr.といった強敵を一撃で沈めました。
• - 剛体術: 関節を固定し、体重を乗せて打撃力を上げる技術。防御に徹した鎬紅葉の胃を破壊しました。
• - 虎王: 夢枕獏の格闘小説『餓狼伝』に登場する技を許可を得て使用。サンボの逆十字のような体勢から相手を地面に叩きつけます。
• - 空中回転蹴り: 相手の攻撃を回避しながら、かかと落としを繰り出すカウンター技。勇次郎にも使用しましたが、カウンター返しを受けて敗北しました。
• - 新コブラ/新卍: プロレス勝負で使用。従来のコブラツイストや卍固めとは極め方が異なります。
• - 脳内麻薬: エンドルフィンを分泌させ、身体能力を向上させる技。飛騨の山籠もりで習得しました。
• - 鞭打: 腕を鞭のように使い、皮膚を急所にする技。柳龍光の技に対抗して使用しました。
• - リアルシャドー: イメージの中で対戦相手と戦う究極のシャドーボクシング。痛みや傷までを具現化します。
• - 0.5秒の無意識: 人間の意識の遅れを利用し、無意識の間に攻撃する技。ビスケット・オリバ戦で披露しました。
• - 蜚蠊ダッシュ: ゴキブリの瞬発力に着想を得た高速移動技。体液化させるイメージで加速します。作者が夢で見たゴキブリから着想を得た技です。
• - トリケラトプス拳: 恐竜の動きを模倣した象形拳。トリケラトプスの突進力を再現します。

作中での活躍

『グラップラー刃牙』

• - 幼年編: 幼少期から範馬勇次郎の厳しいトレーニングを受け、母の愛を得るために勇次郎に挑みますが、圧倒的な力の前に敗北。母の死を経験した後、世界各国の格闘家と戦いながら4年間修行し、東京ドーム地下闘技場へと帰還します。
• - 地下闘技場編: 地下闘技場の戦士として数々の激戦を重ね、最年少王者となります。鎬兄弟などの強豪との戦いを繰り広げました。
• - 最大トーナメント編: 最大トーナメントに参加し、アンドレアス・リーガン、ズール、猪狩完至、烈海王、そして異母兄のジャック・ハンマーと激闘の末に優勝を果たしました。

『バキ』

• - 最凶死刑囚編: 世界各国の刑務所から脱獄した5人の死刑囚と戦います。スペックや柳龍光との戦いを通して成長を遂げるも、柳の毒手で毒に冒されてしまいます。
• - 中国大擂台賽編: 中国に渡り、中国武術最強を決める大会に参加。李海王との戦いで毒を中和させ体調を回復させ、郭春成を圧倒しました。
• - 神の子激突編: マホメド・アライJr.との対戦を経て、父である勇次郎に挑戦することを表明します。

『範馬刃牙』

• - 超絶!!監獄バトル編: ビスケット・オリバとの対戦を求め、刑務所に収容されます。アイアン・マイケル、ゲバルとの出会い、そしてオリバとの激闘を繰り広げます。最終的に、オリバに勝利しました。
• - 野人戦争編: 原人ピクルとの戦いに興味を持ちます。当初は戦いを躊躇しますが、最終的にピクルと死闘を繰り広げ、敗北します。
• - 地上最強の親子喧嘩編: 父との決戦に向け、様々な修行を重ねます。ついに勇次郎との親子喧嘩が勃発し、あらゆる技を駆使して戦うも、最後は力負けしました。しかし、互いに認め合う形で終結しました。

『刃牙道』

• - クローンとして蘇った剣豪・宮本武蔵と対戦。最初は敗北するも、再戦でダウンを奪うなど互角に渡り合いました。武蔵をこの世から葬ることに成功しました。

『バキ道』

• - クライミング選手のスコット・ハリスに勝利し、二代目野見宿禰と対面します。

劇場版『範馬刃牙VSケンガンアシュラ』

• - 十鬼蛇王馬と一騎討ちを繰り広げるも、決着は着きませんでした。

範馬刃牙は、常に強さを求め、己の限界に挑戦し続ける格闘家です。その戦いの軌跡は、多くの読者に感動と興奮を与え続けています。

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