築地警察署

築地警察署の概要

築地警察署（つきじけいさつしょ）は、東京都中央区築地1丁目に位置し、警視庁が管轄する警察署の一つです。第一方面本部に属し、中央区の京橋地区南部を担当しています。この署は、約280名の署員を擁し、規模の大きな警察署として知られています。署長は警視正の地位にある人物です。また、識別章の所属表示はMH、車両の対空表示には「築」が使用されています。

所在地と管轄区域

築地警察署の所在地は、東京都中央区築地一丁目6番1号です。最寄りの駅は、東京地下鉄有楽町線の新富町駅です。この警察署は、中央区の西南部を管轄し、具体的には以下のような地域を担当しています。

• - 銀座一丁目から八丁目
• - 築地一丁目から七丁目
• - 新富一・二丁目
• - 入船一丁目から三丁目
• - 湊一丁目から三丁目
• - 明石町
• - 浜離宮庭園

かつて、伊豆・小笠原諸島には分署が存在し、広範囲に亘る管轄を持っていましたが、現在は中央区内に限定されています。

歴史

築地警察署は、その沿革において多くの重要な出来事があります。1875年5月1日には警視第一分庁第三署が開設され、1881年1月14日には築地警察署および築地巡査駐屯所が設立されました。その後、1881年3月21日には築地警察署と新富町警察署が統合され、京橋警察署が開設されるなど、署名の変更や統合が続きました。

1910年12月17日には築地警察署に改称され、初代署長には当時の凶悪事件や迷宮事件を多く解決した警視庁の刑事、武東晴一が就任しました。また、1926年4月10日には関東大震災の影響で庁舎が全焼し、現在の所在地へと移転しました。1963年には庁舎の老朽化に伴い、聖路加国際病院の旧病棟を仮庁舎とし、1966年には新庁舎が完成しました。その後も数回にわたり庁舎の改築や増築が行われ、1993年には現庁舎が完成しました。

組織と交番

築地警察署はさまざまな部署を持ち、地域の安全を守るために活動しています。組織には警務課、会計課、交通課、警備課、地域課、刑事組織犯罪対策課、生活安全課などがあります。また、中央区内には複数の交番が設置されています。特に、銀座四丁目交番や銀座一丁目交番、数寄屋橋交番などがあり、それぞれが地域の安全を担う役割を果たしています。

不祥事と特筆すべき出来事

築地警察署の歴史には残念ながら不祥事も存在します。2022年6月26日、巡査が居酒屋の更衣室で現金を盗んだとして逮捕される事件が発生しました。さらに、政治的な影響や社会的な背景から、戦前にはプロレタリア作家の小林多喜二が特別高等警察の刑事により取調べを受け、その中で拷問を受けて命を失った事件もありました。

このように、築地警察署は歴史、地域、組織構造といった多様な側面を持つ重要な機関であり、地域の安全を守るために日々尽力しています。

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