粒度

粒度 (Grain Size / Particle Size) について

粒度とは、複数の種類の鉱物から構成される岩石において、主要な鉱物粒子の大きさを示す工業的な指標です。主に堆積岩、火成岩、変成岩などの岩石に対して定義されます。また、土壌や破砕性の堆積物がどのような粒度の粒子から構成されているかを示す尺度を、粒度階区分と呼びます。

粒度の定義

粒度の定義は、研究者や分野によっていくつかの異なる定義が存在します。

クロスによる定義

ホイットマン・クロスらは、1906年に発表した論文において、粒径（直径）に基づいて粒度を以下のように定義しました。

ハインリヒによる定義

ウィリアム・ハインリヒは、1956年に出版した書籍において、粒径に基づいて粒度を以下のように定義しました。



これらの定義は、岩石の種類や研究の目的に応じて使い分けられます。例えば、堆積岩の研究では、堆積物の粒度分布がその形成過程を理解する上で重要な情報となります。

粒度の測定

岩石を構成する鉱物は、必ずしも球形とは限りません。多くの場合、不規則な形状をしているため、粒度の正確な測定は容易ではありません。粒度を測定するためには、いくつかの方法があります。

篩分け法: 粗い粒子を含む試料に対して用いられ、異なる網目の篩を重ねて試料を通過させ、各篩に残った粒子の重量を測定することで粒度分布を求めます。
沈降法: 細かい粒子を含む試料に対して用いられ、液体中に分散させた粒子が沈降する速度を測定することで粒度分布を求めます。ストークスの法則を応用した手法です。
レーザー回折法: レーザー光を粒子に照射し、回折パターンを解析することで粒度分布を求めます。比較的高精度な測定が可能です。
画像解析法: 顕微鏡写真などの画像から粒子を認識し、その形状や大きさを測定することで粒度分布を求めます。粒子の形状に関する情報も得られます。

これらの測定方法を適切に選択し、組み合わせることで、岩石や土壌の粒度を詳細に分析することができます。

粒度と土質力学

土質力学においては、土の粒度分布は、その工学的性質を評価する上で非常に重要な要素となります。粒度分布は、土の透水性、強度、圧密特性などに大きく影響を与えます。例えば、砂のように粗い粒子を多く含む土は透水性が高く、粘土のように細かい粒子を多く含む土は透水性が低い傾向があります。

粒度試験の結果は、土構造物の設計や施工において、適切な材料を選択したり、地盤改良の方法を検討したりする上で不可欠な情報となります。粒度分布を正確に把握することで、安全で信頼性の高い構造物を構築することが可能となります。

関連項目

土質力学
堆積岩
火成岩
変成岩
* 粒度階区分

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