粟屋剛

粟屋剛 (あわや・つよし) について

粟屋剛は1950年12月13日に山口県美祢市で生まれた日本の生命倫理学者です。彼は岡山大学名誉教授として広く知られており、これまで岡山大学、岡山商科大学教授、放送大学岡山学習センター客員教授などを歴任しています。また、2019年から2023年まで釧路市議会議員としても活動しました。

学歴と経歴

粟屋は1969年に山口県立大嶺高等学校を卒業し、1973年に九州大学理学部化学科を卒業。その後、1978年に同大学の法学部を卒業しました。次に、宇部短期大学で助手としてのキャリアをスタートし、西南学院大学大学院で法学修士の学位を取得しました。

1990年には徳山大学経済学部助手に就任し、その後1995年に教授に昇進しています。2002年からは岡山大学大学院医歯（薬）学総合研究科の生命倫理学分野で教授として従事し、2016年には名誉教授に就任しました。2016年4月以降は岡山商科大学法学部教授として活躍し、2021年から2023年まで同大学の副学長を務めました。

専門分野

彼の専門は生命倫理および医事法にあり、主に臓器移植、脳死、人体商品の化に関する倫理的、法的問題の調査を行っています。粟屋は1990年代からEvidence Based Bioethics（EBB）を掲げ、インドやフィリピンでの臓器売買や、中国での死刑囚からの臓器移植について幅広い実態調査を実施し、得られた知見は国際的なメディアでも取り上げられました。

社会活動と学会

粟屋は日本生命倫理学会や日本人権教育研究学会の理事、日本医学哲学倫理学会の評議員を務めてきたほか、国際臨床生命倫理学会の会長やアジア生命倫理学会の副会長としても活動し、生命倫理の発展に寄与しています。2006年には第18回日本生命倫理学会年次大会を主催し、2011年には第41回日本医事法学会年次大会を担当しました。

著作と研究成果

粟屋は約40冊の著書と、120篇以上の論文を執筆しています。彼の著作の一部は大学の入学試験に使用され、さらに、2007年にはアメリカの『生命倫理百科事典』の編集代表を務め、2013年には『シリーズ生命倫理学 全20巻』を編集代表として発表しました。教育の現場でも、粟屋の開発した教材は多くの学生に用いられています。

また、2013年に主催した生命倫理国際シンポジウムをスタートとして、毎年釧路生命倫理フォーラムを開催し地域社会への貢献を継続しています。

最新の活動と展望

2023年、彼は岡山商科大学の特任教授として再スタートを切り、今後も生命倫理に関する様々な問題に取り組んでいく意向を表明しています。粟屋剛のキャリアを通じて見えてくるのは、現代社会における倫理と法の交差点でいかに自己決定権と人間の尊厳を守るかに関する深い考察です。

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