絲原記念館

様々な魅力を持つ絲原記念館

絲原記念館（いとはらきねんかん）は、歴史的な展示物や文化財が集まる資料館で、島根県奥出雲町に位置しています。ここでは、たたら製鉄で名を馳せた「鉄師御三家」の一つである絲原家に関する貴重な資料や美術品が展示されています。

開館と展示内容

1980年に開館した絲原記念館では、絲原家に代々伝わる歴史的な資料や工芸品が数多く収蔵されています。展示の目玉には、県の有形文化財に指定されている藤原定家の筆による『明月記』の断簡や、千利休、松平不昧、池大雅、円山応挙、長沢蘆雪、田能村竹田、田能村直入といった著名な作家たちの作品があります。これらは、日本の文化や美術の歴史を感じる上で非常に重要な資料です。

丈夫な歴史を感じる絲原家居宅

「絲原家居宅」は、江戸時代後期に建てられた客殿棟と、大正13年に建築された母屋棟で構成されています。この家は、歴史的には松江藩主の本陣宿としても利用されていましたし、近代には与謝野題幹夫妻や近衛文麿、田能村直入などの著名人が宿泊したことでも知られています。2004年には国の登録有形文化財に指定されており、現在も当主家族が居住している点が特筆されます。

美しい自然を堪能できる絲原家庭園

「絲原氏庭園」は、近代に作られた池泉回遊式の日本庭園です。この庭園は出雲流の庭園の一例であり、周辺の山々を借景として取り入れた造りが特徴です。松平不昧の専属庭師である沢玄丹による飛石を用いた手法が見られ、その美しい景観は2018年に国の登録記念物に指定されています。訪れる人々は、美しい日本庭園を散策しながら、心を癒す時間を過ごせることでしょう。

自然に触れられる洗心乃路

「洗心乃路」は、かつての番頭や手代の住居跡地に設けられた林間散策路です。この道には季節の草花が植えられており、訪問者は自然の美しさを楽しみながら、リラックスした散策を体験することができます。特に、春の花々や秋の紅葉など、四季折々の風景が楽しめる場所です。

くつろぎの場、茶房十五代

「茶房十五代」は、大正時代の美しい建物を改装したカフェで、2018年にオープンしました。ここでは、安らぎの空間の中で、ゆったりとしたひと時を過ごしながら、美味しいお茶やスイーツを楽しむことができます。歴史的な建物の中でリフレッシュできる時間は、訪問者にとって特別な体験となるでしょう。

鉄師御三家の歴史

絲原家は、元々広島から奥出雲に移住した中世の武家の末裔で、たたら製鉄に関わり当時の地域経済を支えました。江戸時代の中頃には現在の地に移り住み、家業を大正時代の後期になって山林業に転換することとなりました。その間、12代目と13代目の当主が貴族院議員を務め、地域交通の発展にも貢献したのです。

絲原記念館は、文化財と自然両方を楽しむことができる貴重なスポットであり、地域の歴史と美を深く感じることができる場所として、多くの人々に親しまれています。

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