絹延橋駅

絹延橋駅：歴史と地域に根ざす能勢電鉄の駅

絹延橋駅は、兵庫県川西市絹延町に位置する能勢電鉄妙見線の駅です。駅番号はNS02。1913年（大正2年）4月13日の開業以来、地域住民の足として長く親しまれてきました。

歴史を刻む絹延橋駅

開業から1世紀以上を経た絹延橋駅は、幾多の変遷を経験しています。1966年（昭和41年）には平野車庫の完成に伴い、当駅にあった絹延橋車庫が廃止されました。同年、ホームは3両分へと延長され、1967年（昭和42年）には駅改良工事が行われ複線化されました。近年では、2022年（令和4年）5月21日に下りホームに改札口が新設され、構内踏切が廃止、バリアフリー化も進みました。ホームへのスロープ設置により、より利便性の高い駅へと生まれ変わりました。

駅構造と設備

絹延橋駅は、相対式2面2線のホームを持つ地上駅です。改札口は両ホームの南側にあり、ホームへのアクセスにはスロープが設置されています。トイレは上り改札口付近に男女別と多機能トイレが完備されています。両ホーム間の移動はできませんので、駅員への連絡が必要となります。待合室は川西能勢口駅方面のホームにのみ設置されています。ホームの長さは6両分ありますが、現在運行されているのは4両編成の列車のみのため、南側に停車します。ホームの壁面には、「絹の舞い」をイメージした装飾が施されています。

利用状況とキセラ川西効果

川西市統計年鑑によると、絹延橋駅の利用状況は近年変化を見せています。特に注目すべきは、2020年以降の新型コロナウイルス感染症流行下においても、利用者数がむしろ増加している点です。これは2019年7月に開業した商業施設「キセラ川西」の影響が大きく、従業員の通勤利用増加が主な要因と考えられます。

駅周辺環境

絹延橋駅は、兵庫県川西市と大阪府池田市の境界付近に位置しています。駅名の由来にもなっている絹延橋は、駅から東へ約50メートルの場所にあり、2010年7月6日に架け替えられました。猪名川にかかるこの橋周辺は、府県境となっている地点が多いですが、駅と橋の間にある小さな川が府県境となっています。かつて存在した「絹延小橋」は、絹延橋の架け替えに伴う道路拡張により姿を消しました。駅周辺の道路整備も、2021年まで継続して行われました。

「絹延」という地名は、272年（応神天皇3年）に呉から移住した工女たちが、猪名川の清流で織物を洗って干したことに由来する「絹延の河原」から生まれたとされています。昭和40年代頃までは、駅北側に木村友禅の工場がありました。

駅周辺には、川西市営絹延団地、川西美園郵便局、猪名川、阪神高速11号池田線・新猪名川大橋（ビッグハープ）、兵庫県道185号・大阪府道112号絹延橋停車場線、そしてキセラ川西などがあります。

バス路線

駅東側の国道173号線沿いにある「絹延橋」停留所と、駅西側の「絹延町」停留所には阪急バスが乗り入れています。「絹延橋」停留所からは、久安寺・余野・伏尾台方面と池田方面への路線が運行されています。一方、「絹延町」停留所は、阪急川西能勢口駅方面への路線が運行されていますが、本数は少ないです。

隣の駅

能勢電鉄妙見線
川西能勢口駅 - 絹延橋駅 - 滝山駅

まとめ

絹延橋駅は、歴史と地域に密着した駅であり、近年の発展も反映した、変化に富んだ歴史を持つ駅です。キセラ川西の開業による利用者増加も踏まえ、今後も地域社会に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索