群馬県立近代美術館

群馬県立近代美術館：近現代美術と歴史的建築が融合する文化施設

群馬県高崎市にある群馬県立近代美術館は、豊かな自然に囲まれた県立公園「群馬の森」の一角に位置しています。1974年の開館以来、国内外の近現代美術の収集・展示、そして群馬県ゆかりの作家の作品紹介を通して、地域文化の発展に貢献してきました。

近現代美術の精華：充実したコレクション

美術館は、モネの「睡蓮」、モローの「救済される聖セバスティアヌス」、ルノワール「読書するふたり」といった西洋近代絵画の名作から、ムンクの「オースゴールストランの夏」といった象徴主義絵画、そして福沢一郎、安井曾太郎、岡鹿之助、岸田劉生など、日本近代絵画を代表する巨匠たちの作品まで、幅広いコレクションを誇ります。

さらに、群馬県出身の作家の作品にも力を入れており、上田薫の「なま玉子」、宮脇愛子の「うつろひ」、山口薫の「紐」、前田寛治の「姉妹」など、多様な表現様式と個性あふれる作品を鑑賞することができます。

近年では、現代美術にも積極的に取り組んでおり、国際的な潮流を反映した作品群も展示されています。ピカソのゲルニカのタピストリーも所蔵しており、そのスケールと迫力も必見です。

歴史的価値：戸方庵井上コレクション

美術館の貴重なコレクションの一つに、井上房一郎が収集した日本と中国の古美術品からなる「戸方庵井上コレクション」があります。229点にも及ぶこのコレクションには、重要文化財に指定されている「金大受筆羅漢図」と「伝蛇足筆山水図」が含まれており、日本の美術史を紐解く上で重要な資料となっています。他にも、「観月美人図」など、歴史的価値の高い作品が数多く含まれています。

建築デザイン：磯崎新による傑作

美術館の建物は、世界的建築家である磯崎新によって設計されました。洗練されたデザインと機能性を兼ね備えた建築は、北九州市立[[美術館]]などとともに磯崎新の代表作として高い評価を受けています。1990年代には増改築が行われましたが、基本デザインはそのままに、裏手に増築されたため、群馬の森からの外観はほぼ建築当初のままの姿を保っています。

沿革と発展

群馬県立近代美術館は、「明治百年記念事業」の一環として、旧陸軍造兵廠跡地に建設された「群馬の森」の中に、群馬県立歴史博物館とともに整備されました。1974年の開館以来、地域住民の文化活動拠点として重要な役割を果たしており、現在も、数々の企画展や教育プログラムを通して、多くの人々に芸術に触れる機会を提供し続けています。空調設備の故障などを機に大規模な改修工事を行い、2008年にリニューアルオープンしました。

アクセスと情報

美術館は、高崎駅からバスでアクセスできます。開館時間や休館日、展示内容などの詳細は、美術館の公式ウェブサイトでご確認ください。

まとめ

群馬県立近代美術館は、近現代美術の豊かなコレクション、歴史的価値のある収蔵品、そして磯崎新による建築デザインと、多くの魅力を兼ね備えた美術館です。群馬県を訪れた際には、ぜひ足を運んで、芸術と歴史に触れてみてください。

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