羽田クロノゲート

羽田クロノゲート

羽田クロノゲートは、ヤマトグループが運営する日本で最大の物流施設です。東京都大田区羽田旭町に位置し、2013年9月20日にオープンしました。この施設は、効率的かつ革新的な物流システムの代表例として広く評価されています。

立地

羽田クロノゲートは、東京都大田区羽田旭町11番1に位置し、環八通りに面しています。この地域は、羽田空港や首都高速道路羽田出入口が近く、東京港や貨物ターミナルへのアクセスも容易です。さらに、首都高速を利用することで横浜港にも迅速に到達することができ、国内外の物流拠点として非常に便利な場所です。

沿革

この地は、元々1938年に荏原製作所の羽田工場があった場所で、大型ポンプの製造が行われていましたが、老朽化に伴い、2007年にヤマト運輸に845億円で売却されました。その後、2011年には「羽田物流ターミナル（仮称）」としての建設が開始されましたが、一時的なトラブルが発生し、計画が遅れることになりました。最終的に、2013年に竣工し、羽田クロノゲートとしてオープンしました。この名称は、ギリシャ神話の時間の神クロノスに由来し、国際的な物流のゲートを意味しています。

受賞歴

羽田クロノゲートは、2015年度には「グッドデザイン賞」を、2018年度には「第59回BCS賞」を受賞し、設計と機能の両方において高く評価されています。

機能

この施設は「止めない物流」をコンセプトに、年中無休で24時間稼働しています。1階と2階には荷物の仕分けエリアがあり、最先端のクロスベルトソーターやロボットアームなどを利用して荷物の仕分けを行っています。この仕分け能力は従来の倍の4万8千個し、一日に約60万個の荷物を処理可能です。さらに、最大で104台のトラックが同時に荷物の積み下ろしを行うことができ、一日に2000台以上のトラックが発着しています。

3階から7階には、流通加工エリアがあり、様々な付加価値サービスが提供されています。これには商品選定や包装、検品などが含まれています。各階はスパイラルコンベアで連結され、効率的な荷物の移動が可能です。

バリューネットワーキング

羽田クロノゲートは、次世代物流ネットワークである「バリュー・ネットワーキング構想」の一環として位置づけられています。この構想には、沖縄国際物流ハブや関西ゲートウェイなど各地の物流拠点と連携した輸送が含まれます。特に香港向けの「国際クール宅急便」サービスが好評を博し、農水産物をスピーディに輸送しています。

付加価値ゾーン

ここでは医療機器の洗浄やメンテナンス、オンデマンド印刷サービス、流通加工が行われています。特に、NECの画像認識技術を活用した検品システムは、高い精度を誇ります。

環境への配慮

施設は、自然換気や太陽光を利用したエネルギー管理がなされており、二酸化炭素の排出量を従来の施設と比べ46%削減しています。このような取り組みが評価され、ヤマト運輸は2014年に物流環境大賞を受賞しています。

和の里パーク

施設の前庭には「和の里パーク」と名付けられた地域貢献ゾーンが設けられています。ここには、障害者雇用促進事業やスポーツ施設、保育所が設置されており、地域住民との関係を深めるための取り組みが進められています。

このように羽田クロノゲートは、物流の新たな基準を確立し、地域社会にも貢献し続けている重要な拠点です。

もう一度検索