自動倉庫

自動倉庫（AS/RS）についての詳細

自動倉庫とは、品物の保管や取り出しを自動で行うために設計された倉庫システムのことです。英語ではAutomated Storage and Retrieval System（AS/RS）として知られ、無人倉庫とも呼ばれています。このシステムは、コンピュータや機械の組み合わせにより、従来人が行っていた作業を自動化したもので、効率的な物流を実現します。

概要

この倉庫システムは、メカトロニクス技術を駆使して構築されており、物品の入出庫作業の自動化を進めています。自動化により、作業効率が向上するだけでなく、低温倉庫の自動化では、過酷な環境下での人間の作業が軽減されるため、安全性も向上します。経営側から見ると、自動倉庫は人手を削減することができ、経理上の人件費を低減できるというメリットがあります。しかしながら、初期導入にかかるコストが高く、小規模企業には導入が難しいのが現状です。

従来の倉庫では、人が実際に棚の位置まで行って品物を取り出す必要があったため、棚の配置は人間の分類の概念に依存せざるを得ませんでした。これに対し、自動倉庫では、データベースを活用することで、商品と棚位置の関係を大量に保存し、自動で取り出すことが可能です。このため、物理的な収容能力をより効率的に活用できるようになり、全体の収納効率が向上します。

自動倉庫の種類

自動倉庫は、入出庫方式や保管品の種類によっていくつかのタイプに分類されます。特に入出庫方式に関しては、以下のようなタイプがあります。
1. スタッカークレーンタイプ - 荷台を搭載し、品物の入出庫を行います。
2. 回転棚タイプ - 棚自体が回転して、商品を出しやすくします。
3. シャトルタイプ - 商品を自動で運ぶための装置を使用します。

また保管品の種類においては、冷蔵品や医薬品、鉄鋼コイルなど、それぞれに適した自動倉庫が存在します。

歴史と発展

自動倉庫システムは、パレットが分類され、RFタグやバーコードを利用して品物を簡単に取り出せるようになってきました。今日では、アマゾンやDHLなどの大手物流企業が広範な配送センターで自動倉庫を導入し、サプライチェーンマネジメントにおける重要な役割を担っています。

具体的な事例：Amazon

アマゾンの川崎フルフィルメントセンターでは、2016年に「Amazon Robotics」というシステムを導入しました。このシステムでは、多数の細長い棚が自走式ロボット「ドライブ」によって運ばれます。ドライブは秒速約1.7mの速度で移動し、指定された位置で棚を持ち上げて運ぶことができます。商品が入荷すると、ARシステムが自動的に空き棚を選択し、スタッフの目の前に運んでくる仕組みです。

入荷した商品は、スタッフがバーコードを通じてシステムに登録し、青く表示された適切な位置に収納します。注文が入ると、システムはその商品が保管されている棚を検索し、スタッフのもとに運んできます。これにより、効率的なピックアップ作業が行われます。

結論

自動倉庫は、物流業界においてますます重要な役割を果たしています。効率性の向上や人件費の削減、過酷な環境下での労働からの解放を実現しており、今後もさらに多くの企業に導入されていくと考えられます。

もう一度検索