舟橋村立図書館

舟橋村立図書館：駅舎と一体となった、ユニークな図書館

富山県中新川郡舟橋村にある舟橋村立図書館は、全国的にも珍しい、鉄道駅舎と一体となった公立図書館です。越中舟橋駅と併設されたこの図書館は、利便性の高さから村民に広く利用され、村民一人当たりの貸出冊数で日本一という記録を誇ります。

建物の概要

図書館は3階建ての鉄筋コンクリート造りで、延床面積は1,518.91㎡。1階に図書館、2階に立山舟橋商工会舟橋支所が入居しています。建設には6億円を超える事業費が投じられ、そのうち4,000万円は補助金、2億7,470万円は村債、残りは一般財源で賄われました。広々とした空間で、快適な読書環境が提供されています。

歴史と変遷

舟橋村立図書館の歴史は1980年に遡ります。村の総合計画において図書館開設が盛り込まれ、1981年には図書館設置条例が制定されました。当初は村役場庁舎の一室を間借りし、36席、蔵書146冊という小さな規模で、土曜日の午後のみ開館していました。その後、利用者数の増加に伴い、開館日や開館時間を拡大。1990年代には、無人化が検討されていた越中舟橋駅を図書館と一体化させる計画が持ち上がり、1998年に現在の駅舎併設型図書館としてリニューアルオープンしました。北陸地方で唯一の鉄道駅併設図書館として注目を集め、地域住民の生活に密着した図書館として発展を遂げました。

利用案内

図書館の開館時間は、平日は午前10時から午後7時（11月～3月は午後6時まで）、土日祝日は午前10時から午後5時です。月曜日、国民の祝日、年末年始（12月28日～1月4日）、毎月最終木曜日（館内整理日）は休館日となります。蔵書検索はインターネットでも可能です。本を借りるには利用カードの登録が必要で、初めて利用する際はカウンターで身分証明書を提示する必要があります。貸出冊数や貸出期間は図書館にお問い合わせください。

受賞歴と出来事

舟橋村立図書館は、その優れた取り組みが評価され、2001年には「うるおい環境とやま賞」、2009年には「子どもの読書活動優秀実践図書館」として文部科学大臣表彰を受賞しています。また、2008年にはニホンカモシカが図書館に侵入するという、全国ニュースにもなった珍事件も発生しました。この出来事をきっかけに、図書館司書係長がカモシカを題材にした絵本の出版を企画。当初は村の財政事情から断念しましたが、多くの購入希望が寄せられたことから、予算を計上し、2009年に絵本『カモシカとしょかん』が出版されました。

まとめ

舟橋村立図書館は、駅舎併設というユニークな立地と、地域住民への貢献、そして数々のエピソードを持つ、魅力あふれる図書館です。その存在は、地域社会に活力を与え、読書文化の振興に大きく寄与しています。今後も、地域住民にとってなくてはならない存在として、発展を続けていくことでしょう。

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