芦ノ湖遊覧船

芦ノ湖遊覧船の魅力と歴史

芦ノ湖遊覧船は、神奈川県箱根町に位置する美しい芦ノ湖で観光客の輸送を行っている船です。この事業は富士急グループの一部である箱根遊船株式会社によって運営されています。かつては、伊豆箱根鉄道の傘下にあった時期もあり、その歴史は長いものです。遊覧船は、観光客に湖の美しさを楽しんでもらうだけでなく、地域の文化や祭事に親しむ機会を提供しています。

航路とサービス

芦ノ湖遊覧船の航路には、湖尻港から箱根園港、さらには箱根関所跡港、元箱根港までを結ぶ定期的な航路があり、観光客の利便性を高めています。さらに、湖尻港・箱根園港や関所跡港・元箱根港間を周回する周遊船も運航中です。特に注目すべきは、毎月13日だけに運航される 「九頭龍神社参拝船」 で、元箱根港から九頭龍神社本宮への特別な航路が設けられています。このような特別な航海は観光の一環として非常に人気があります。

また、鉄道系列のバスチケット「箱根旅助け」では、芦ノ湖遊覧船も利用可能ですが、他の運賃の設定と一部重複がない店舗での購入が必要ですので、事前の確認をお勧めします。

芦ノ湖遊覧船の歴史

芦ノ湖遊覧船のルーツは1911年に遡ります。当初、箱根遊船として設立され、その後1920年には西武グループのもとに買収され、観光船事業を統合されました。1938年には駿豆鉄道に合併した後、その社名も変更され続け、1957年には伊豆箱根鉄道に組み込まれるなど、様々な変遷を経てきました。

日本初の双胴旅客船である「くらかけ丸」が1961年に就航し、その後も多くの名船が誕生しました。2018年には水陸両用バス「NINJABUS WATER SPIDER」の運行が始まるなど、新たな試みも加わりました。

2022年に遊覧船事業は新設分割により芦ノ湖遊覧船株式会社に移管され、2023年には伊豆箱根鉄道が富士急行に全株式を売却、同時に社名も変更されました。

使用船舶と現行の航行

現在、芦ノ湖遊覧船では複数の双胴船が運行しています。主な船には「あしのこ丸」（1984年竣工、定員700名）、改装された「SORAKAZE」（1985年竣工、定員550名）、そして「十国丸」（1986年竣工、定員550名）があります。これらの船舶は広々としたデッキスペースを持ち、観光客は湖を一望し、絶好の景観を楽しむことができます。

また、過去には数多くの船舶が運航されており、特に初代「くらかけ丸」は世界初の本格的な双胴遊覧船として記憶されています。これらの船はそれぞれ独自の歴史を持ち、努力と情熱が込められた船舶であることから、訪れる人々に愛され続けています。

芦ノ湖遊覧船は、観光名所としての役割だけでなく、地域の文化や歴史の一部としても人々に影響を与えてきました。訪れる際には、美しい自然とともに、船の歴史や運営の変遷についても思いを馳せながら楽しんでいただきたいと思います。

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