芦原橋駅

芦原橋駅：歴史と太鼓の響きが交差する下町駅

大阪環状線芦原橋駅は、大阪府大阪市浪速区浪速東一丁目に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅です。駅番号はJR-O17。

古くから続く下町の雰囲気と、近代的な住宅街が入り混じる独特の景観を持つこの駅は、1966年4月1日に開業しました。その歴史は、大阪市電西道頓堀天王寺線、阪堺電鉄芦原橋駅の開業（1909年、1927年）にまで遡り、現在の駅は、1968年の市電廃止に伴い、市電芦原橋駅跡地に設置されたものです。

駅舎は相対式ホーム2面2線を持つ高架駅で、8両編成の電車に対応しています。改札口は南口と北口の2ヶ所あり、日本の[[鉄道駅]]で初めて身体障害者用のエレベーターが設置された駅としても知られています。新今宮駅が管理する直営駅であり、JRの特定都区市内制度における「大阪市内」に属しています。

発車メロディーと駅周辺

2015年3月22日からは、地元の太鼓集団「怒」の楽曲『祭』が発車メロディーとして採用されています。駅周辺には多くの老舗太鼓メーカーがあり、太鼓作りが盛んな地域であることが背景にあります。この取り組みは、大阪環状線改造プロジェクトの一環として行われました。

駅周辺は、かつて鼬川（現在は埋め立てられている）に架かっていた芦原橋の南東に位置し、駅名もこの橋に由来しています。北側は住宅や町工場が混在する下町の景観が広がり、南側は公営住宅が立ち並ぶ住宅団地となっています。特に南側は、江戸時代から続く皮革産業が盛んで、かつてはホームまで膠（にかわ）の香りが漂っていたと言われています。

太鼓の生産地としても有名で、駅周辺には太鼓店が立ち並びます。2004年には、駅前からリバティおおさかまでの道筋に太鼓関連のモニュメントや看板が設置された「人権・太鼓ロード」が整備され、江戸時代の豪商「太鼓屋又兵衛」の屋敷跡である浪速玉姫公園には、太鼓演奏が流れるからくり時計が設置されています。

アクセスと周辺施設

芦原橋駅は、大阪シティバスの路線が発着しており、近隣のアクセスに便利です。駅周辺には、浪速神社、徳浄寺、正宣寺などの歴史的建造物や、浪速公園、浪速運動広場などの公共施設があります。また、大阪市立の小学校、中学校、大阪府立の支援学校、専門学校なども近隣に立地しています。スーパーマーケットや郵便局、電力会社などの事業所も多数あります。

利用状況

2022年度の1日平均乗車人員は約5,549人です。大阪環状線内では最も乗車人員の少ない駅の一つです。

隣の駅

大阪環状線では、大正駅と今宮駅に挟まれています。大和路快速、関空快速、紀州路快速、快速は通過し、区間快速、直通快速、普通が停車します。今宮駅とは約600mの距離にあり、ホームから目視できるほど近接しています。南海高野線（汐見橋線）芦原町駅とは約300m離れており、乗り換え案内はありません。

まとめ

芦原橋駅は、歴史と伝統、そして現代社会が調和する独特の雰囲気を持つ駅です。太鼓の音色と下町の風情が漂う、大阪の隠れた魅力が凝縮された場所と言えるでしょう。

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