今宮駅

今宮駅：歴史と現代が交差する大阪の駅

大阪市浪速区大国三丁目に位置する今宮駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）が運営する駅です。関西本線（大和路線）と大阪環状線の2路線が乗り入れ、駅番号は関西本線がJR-Q18、大阪環状線がJR-O18となっています。駅を象徴する花は菩提樹です。

歴史と変遷

今宮駅の歴史は古く、1899年（明治32年）に大阪鉄道の駅として開業しました。当初は湊町駅（現在のJR難波駅）と天王寺駅を結ぶ路線上にありました。駅名は現在の地名ではなく、開業当時、駅周辺は今宮と呼ばれることは少なく、むしろ西隣の西浜町の方が近かったとされています。

今宮戎神社の最寄り駅として知られていましたが、その後、恵美須駅（現在の今宮戎駅）、恵美須町駅、大国町駅、新今宮駅が開業したため、現在は最寄り駅とはみなされなくなっています。現在でも、大国町駅や今宮戎駅とともに、敷津松之宮の最寄り駅の一つとして機能しています。

1966年（昭和41年）、新今宮駅と芦原橋駅の開設に伴い、今宮駅の廃止が検討されました。しかし、地元住民の強い反対運動により廃止計画は撤回され、翌1967年（昭和42年）に存続が決定しました。この出来事は、地域住民にとって駅がいかに重要な存在であるかを改めて示すものとなりました。

長らく大阪環状線のホームが存在しませんでしたが、1997年（平成9年）3月8日に設置され、芦原橋駅と新今宮駅間に新たな停車駅として誕生しました。そのため、今宮駅は現在、大阪環状線の中で最も新しい駅という特徴も持ち合わせています。

その後も駅は進化を続け、1996年には関西本線ホームの高架化と新駅舎が完成。1997年には自動改札機が導入され、2003年にはICOCAが利用可能となりました。2015年には大阪環状線ホームに「大黒様」の発車メロディーが導入されるなど、利用者の利便性向上に向けた取り組みが続けられています。

駅構造とアクセス

今宮駅は、関西本線（大和路線）の1・2番のりばが相対式2面2線、大阪環状線の3・4番のりばが単式上下2層構造のホームとなっています。関西本線下りホームと大阪環状線外回りホームは島式ホームとして繋がっています。両路線とも、分岐器や絶対信号機がない停留所です。有効長は全ホームで8両編成に対応しています。

新今宮駅側に、関西本線と大阪環状線の間の渡り線が設置されており、大和路線・阪和線と大阪環状線を直通する列車は、天王寺駅～新今宮駅間を関西本線、新今宮駅～今宮駅間を大阪環状線として走行します。

新今宮駅の管理下にある直営駅であり、ICOCAエリアおよび大阪市内の特定都区市内制度に属しています。

周辺環境

駅周辺には、ホームセンターコーナン、ザ・ダイソー、ニトリなどの商業施設の他、大阪市立大国小学校、大阪府立今宮工科高等学校、大阪市立浪速図書館などの教育・公共施設があります。また、願泉寺、正宣寺、徳浄寺などの寺院や、なにわ生野病院なども立地しています。南海汐見橋線木津川駅や、大阪市営地下鉄御堂筋線・四つ橋線大国町駅も徒歩圏内にあります。

利用状況

2022年度の1日平均乗車人員は約4086人で、大阪環状線内では最も少ない駅となっています。

今宮駅の未来

歴史と現代が融合する今宮駅は、これからも地域住民にとって重要な交通拠点であり続けるでしょう。変化を続けながらも、地域に密着した駅として、その役割を果たし続けていきます。

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