芳川

芳川（ほうがわ）

芳川は、静岡県浜松市を流れる河川で、二級水系馬込川の支流に位置します。この川の流れは、静岡県浜松市中央区の上新屋町や中田町を出発し、南へ進んで馬込川へと合流します。近年、河川改修事業が遅れ気味となっているため、周辺には草木が生い茂る自然の風景が広がっています。

地理的特徴

芳川の流域は、浜松市内の都市部にもかかわらず、昔ながらの河川敷が見られるのが特徴です。自然環境が保たれている影響もあり、多様な生物が生息する場となっています。また、この河川は馬込川の支流として、浜松市の風景にゆったりとした流れを描いています。特に国道150号沿いでは、景観としても一部の未改修部分が残ることで過去の面影を感じさせてくれます。

歴史的背景

芳川の歴史をたどると、大正以前の姿を残している部分もありますが、大半は昭和期における世界恐慌対策事業の一環として工業排水路として開削された経緯があります。現在の浜松市立与進中学校の北側では、安間川からの分岐が存在し、天王や西塚、さらには植松を経て旧東海道を越え、最終的には北裏川と合流しています。この区間は過去には小川程度の流れだったため、その痕跡はほとんど残っていません。また、JR東海道線の南側からは大きく湾曲して国道150号と交差するまでの旧河道があり、そこには一部が準用河川として残る部分もあります。

橋梁の存在

芳川にはいくつかの橋梁が存在し、それぞれが交通の要所となっています。主な橋には、国道152号の琵琶橋、国道150号の新川橋、国道1号の芳川橋、静岡県道316号舞阪竜洋線の川柳橋、国道150号の江福大橋があります。これらの橋は、川の両岸をつなぐ重要な役割を果たしています。

環境問題

2002年には、河川敷の土壌から環境基準を超えるカドミウムが検出され、一旦改修工事が中断される事態が発生しました。このような事情も影響し、上流部では洪水のリスクが高まっています。特に住宅や工場が集中しているエリアでは通学路においても安全が確保されておらず、朝夕の通行時には危険が伴うと指摘されています。地元の小学校や中学校の通学路でも交通量が多く、事故の危険性が懸念されているため、地域の住民や教育関係者は注意を呼びかけています。

まとめ

芳川は歴史的背景や地域の環境に影響を受けながら、その姿を変えてきた貴重な河川です。自然の美しさを保ちつつ、地域住民の生活や安全についての課題があることも事実です。今後の河川改修や環境保全施策が期待されるところです。

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