蕨駅

蕨駅：埼玉県蕨市の玄関口

蕨駅は、埼玉県蕨市の中央部に位置する、JR東日本東北本線（京浜東北線）の駅です。駅番号はJK 41。京浜東北線の電車のみが停車し、旅客案内では「東北本線」とは表示されません。

歴史と変遷

蕨駅の開業は1893年（明治26年）7月16日、日本鉄道の駅としてまで遡ります。その後、国有化を経て、1909年（明治42年）10月12日には東北本線の所属駅となりました。

駅舎は幾度かの改築を経て現在の姿となり、1933年（昭和8年）には西口とホームを結ぶ跨線橋が設置され、1949年（昭和24年）には東口が開設されました。現在の駅舎は1967年（昭和42年）10月に完成。その後も、自動改札機の導入（1992年）、Suica対応化（2001年）、スマートホームドアの設置（2020年）など、時代の変化に合わせて改良が重ねられています。貨物取扱は1984年に廃止され、2022年にはみどりの窓口も営業を終了しています。

近年では、2021年に業務委託化されています。駅のバリアフリー化も進み、2001年頃にはエスカレーター、2009年にはエレベーターが設置されました。トイレも2005年に改装され、温水洗浄便座が設置されています。

駅構造と設備

蕨駅は、島式ホーム1面2線の地上駅です。橋上駅舎を持つ、業務委託駅となっています。自動改札機、指定席券売機が設置され、利用客の利便性が向上しています。

駅周辺には、かつて日本車輌製造蕨製作所や住友セメントの専用線が敷設されており、貨物ホーム跡も現在も残っています。その跡地の一部は再開発され、マンションが建設されています。

発車メロディーは、2017年12月26日から1番線が「ジュピターB」、2番線が「ムーンストーン」を使用しています。

利用状況

蕨駅の利用状況は高く、2023年度の1日平均乗車人員は53,921人です。JR東日本全体では、本八幡駅に次いで第78位となっています。

駅周辺

蕨駅は、面積が狭く人口密度が非常に高い蕨市にあります。しかしながら、川口市の一部地域（芝地区）の最寄り駅でもあるため、両市にまたがる複雑な地域特性を持っています。東口と西口では、蕨市と川口市の境界線が入り組んでおり、駅周辺の道路状況も複雑です。

東口と西口にはそれぞれバス路線があり、国際興業バス、蕨市コミュニティバス「ぷらっとわらび」、川口市コミュニティバス「みんななかまバス」などが運行され、周辺地域とのアクセスを担っています。

その他

蕨駅は、かつて蕨岱駅（JR北海道函館本線）の廃止（2017年3月4日）によって、JRの全駅を五十音順に並べた際に最後の駅となりました。また、南浦和駅方面からの列車が南浦和駅で2番線に到着する場合は、蕨駅での乗り換えが案内されることがあります。これは、南浦和駅での乗り換えに比べて、蕨駅での乗り換えの方がスムーズなためです。

隣の駅

隣の駅は、南浦和駅と西川口駅です。また、当駅と浦和駅の間には、かつて小谷場信号場が存在していました。

蕨駅は、長い歴史と多くの変化を経て、現在も蕨市そして周辺地域の重要な交通拠点として機能しています。

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