藤岡幹大

藤岡幹大：早逝の天才ギタリスト、その音楽と教育への情熱

藤岡幹大（ふじおか みきお）は、日本の音楽シーンにおいて独自の地位を築いたギタリスト、ソングライター、そして教育者です。1981年1月19日に生まれ、2018年1月5日に36歳という若さでこの世を去りました。彼の音楽は、ロック、ジャズ、フュージョンといった多様なジャンルを横断し、その卓越したギターテクニックと深い音楽理論の知識は、多くの人々を魅了しました。

経歴

兵庫県南あわじ市出身の藤岡は、高校時代にバンド活動を開始し、ギターの道を歩み始めました。MI JAPAN大阪校に入学後、GIT MASTERS 2000に入賞したことがきっかけで、卒業後2001年から同校の講師となります。2005年からは東京に拠点を移し、MI JAPAN東京校で教鞭を執る傍ら、YOUNG GUITAR誌でのコラム連載も開始しました。

2007年には、藤岡幹大 of TRICK BOX名義でアルバム『TRICK DISC』をリリースし、デビューを果たします。また、教則本『アドリブ・ギター虎の巻』シリーズを創刊し、後進の育成にも力を注ぎました。その後は、rain bookや小林由佳などのアーティストのスタジオ・ミュージシャンとしても活動の幅を広げました。

2012年からはAimerのライブサポート、2013年からはBABYMETALの神バンドでギターを担当し、国内外の多くのファンを魅了しました。2015年には、仮BANDを結成し、ライブ活動や音源制作も積極的に行いました。

音楽性と使用機材

藤岡の音楽性は、ポール・ギルバートやイングヴェイ・マルムスティーン、スティーヴ・ヴァイといったギタリストからの影響を受けており、高度なテクニックと音楽理論に裏打ちされたものでした。ジェフ・ベックやスコット・ヘンダーソン、ジャコ・パストリアスといったミュージシャンからも影響を受けています。

使用機材としては、ESPのシグネイチャーモデルギターや、Martinのアコースティックギターなどを愛用していました。特に、7弦ギターのESP SNAPPER-7 Fujioka Customは、彼のプレイスタイルを象徴する楽器の一つでした。

人となり

音楽以外にも、天体観測を趣味とするなど、多趣味な一面も持っていました。小学生の頃から天体が好きで天体望遠鏡を買ってもらい星をよく見ていたそうです。愛用していたギターの一本には星の名前が付けられていたほどです。

突然の別れと、その後の追悼

2018年1月5日、藤岡は予期せぬ事故により36歳という若さで逝去しました。彼の死は、音楽業界に大きな衝撃を与え、多くのファンやミュージシャンがその早すぎる死を悼みました。

彼の死後、2人の娘の養育資金を募るための基金プロジェクト「My Little God」が立ち上げられ、追悼ライブやイベントが開催されました。また、教え子であり親友でもあった大村孝佳が彼の機材を受け継ぐことを公表するなど、彼の遺志は多くの人々に受け継がれています。

藤岡幹大は、卓越したギターテクニックと音楽理論の知識、そして教育への情熱によって、多くの人々に影響を与えた偉大な音楽家でした。彼の音楽と教えは、これからも多くの人々の心に生き続けるでしょう。

ディスコグラフィ

TRICK DISC（2007年）

著書

アドリブ・ギター虎の巻シリーズ
ペンタトニック虎の巻
バカテク・ギター虎の巻
ギタリストなら誰でも持ってる“脳内コード・ブック"覚醒法
99％藤岡幹大（仮）
* 藤岡幹大の、ヤング・ギターのレッスンめっちゃたくさん！

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