ポール・ギルバート

ポール・ギルバート (Paul Gilbert)

ポール・ギルバートは1966年11月6日にアメリカ合衆国イリノイ州カーボンデールで生を受けたロックミュージシャンで、特にギタリストとして知られています。身長193cmの彼は、小さい頃から音楽に親しみ、家族の影響を受けて5歳でギターを手にしました。ビートルズやジミ・ヘンドリックスなど多様なアーティストの音楽を聴きながら、音楽の道を歩み始めます。

高校卒業後、ロサンゼルスのMusicians Instituteでギターを学び、卒業後はその教師としても活動しました。1986年にはヘヴィメタルバンド「レーサーX」でデビューし、その名は瞬く間に広まりました。特にネオクラシカルギタープレイヤーとして注目を集め、マイク・ヴァーニーによってシュラプネル・レコーズからのリリースが決定。このバンドでの活動が、彼のキャリアの礎となりました。

1988年には新たにスーパーグループ「Mr. Big」を結成し、バンドとしての活動を加速させました。1989年にリリースしたアルバムは多くのファンを魅了し、セカンドアルバムからのシングル「To be with you」は世界的なヒットに。1997年に「Mr. Big」は一時活動を中断しましたが、ギルバートはその間ソロ活動を開始します。

その後、2000年代に入ると再び「Mr. Big」に戻り、いくつかのアルバムをリリース。特にデビュー30周年を迎えた2016年には、日本で特別な公演を行い、ファンとの絆を深めました。

音楽スタイル

ポール・ギルバートの音楽スタイルは、速弾きやタッピング、ストリングスキッピングなどのテクニカルなプレイが特徴です。「光速ギタリスト」というニックネームが示す通り、その速さと技巧に多くのファンが魅了されています。Mr. Bigではアコースティックな要素やブルージーなプレイにも挑戦し、より多様な音楽性を追求しました。

特筆すべきは、彼が持つ豊かなアイデアを音楽に取り入れている点です。代表曲「Green-Tinted Sixties Mind」ではタッピングを使用したリフが印象的で、「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」では電動ドリルを用いるユニークな奏法が話題を呼びました。このような新たなアプローチを通じて、彼は常に音楽の枠を超える挑戦を続けてきました。

機材と技術

彼が愛用するギターは、主にアイバニーズ製です。特に「PGM」シリーズは彼のシグネチャーモデルとなっており、多くのギタリストに親しまれています。初期は改造エピフォン・ウィルシュアーモデルを使用しましたが、レーサーX以降はアイバニーズに移行し、彼のスタイルに合ったギターが次々と誕生しました。ギターのこだわりも強く、特に使用するピックアップにはDiMarzioを愛用しています。

また、音楽制作に対する姿勢も特異で、アルバム『BURNING ORGAN』では100本もの異なるギターを使用し、衣装を変えながらの録音を行うなどの遊び心を見せました。これにより、彼からは常に新鮮なアイデアが生まれ、音楽界に衝撃を与え続けています。

個人的な面

ポールは親日家としても知られ、日本に住んでいた経験があり、その際に日本人の妻と出会いました。彼は日本に特別な思いを持ち、日本語の曲を作ったり、日本に向けた楽曲「I Love You Japan」を制作したりしています。加えて、愛用の電動ドリルを使った演奏スタイルは、楽曲の中で独自の位置を築いています。日本のファンとの絆が、彼の音楽人生において非常に大きな影響を与えています。これからも彼の活動から目が離せません。

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