補綴

補綴（ほてつ）とは

補綴は、身体の一部が失われた際に、その形や機能を人工物によって補完する手法を指します。特に歯科の分野においては、具体的な補綴物として義歯、クラウン、ブリッジが使用され、歯の欠損部分を修復します。しかし補綴の概念は歯科にとどまらず、医療全体で広く応用されています。

補綴の分類

補綴に関する専門用語や呼称は、診療科によって異なることがあります。一般的には、体内に埋め込む医療用具を指して「プロテーゼ」という名前が使われることが多い一方、体表面に装着される人工部位は「エピテーゼ」と呼ばれます。これらの用語は、患者の治療方法や状況によって使い分けられます。

歯科補綴の具体例

歯科の補綴では、欠失した歯を再現するために多様な人工物が使用されます。以下はその代表的なものです：

• - 義歯：部分的または全体的に欠損した歯を補うための入れ歯です。
• - クラウン：歯の形を整えたり、強度を増したりするために、歯の上に被せる人工物です。
• - ブリッジ：複数の歯の間で、欠失した歯を補填するために隣接する歯に固定する構造です。

これらの補綴物は、単に見た目を良くするためだけでなく、咀嚼機能の回復や口腔内の健康維持に重要な役割を果たします。

その他の補綴技術

補綴の領域は歯に限らず、さまざまな身体の部位に応用されています。たとえば、顔面補綴においては、義眼や義耳、義指といった美的な側面を持つ人工物が設置されることがあります。また、医療における機能回復として、口蓋裂の修復にも補綴技術が利用されます。

さらに、人工骨や人工臓器も補綴に含まれ、これらもプロテーゼとして扱われることがあります。美容外科においては、豊胸手術で使用されるシリコンバッグや隆鼻術のためのシリコン樹脂板の他、あごを形成するプロテーゼが存在します。

近年の技術進展

近年では、3次元コンピュータグラフィックスや3Dプリンターの技術が進展したことで、より精密な補綴が可能になりました。これにより、動物の歯や嘴、甲羅といった固有の特徴を持つ部分の補綴も実施されています。

参考文献と関連分野

補綴に関する知識は、専門書や学会資料から得ることができます。たとえば、「日本補綴歯科学会」が編纂した『歯科補綴学専門用語集』（第3版）などが参照されます。また、義肢や補綴科、歯科医の専門性が高まる中、補綴分野は今後も進化していくでしょう。

補綴は、人々の生活の質を向上させる重要な技術であり、医療の発展に寄与しています。この分野のさらなる研究と技術革新が期待されます。

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