西富山駅

西富山駅：歴史と現状を探る

西富山駅は、富山県富山市寺町に位置する、JR西日本とJR貨物が高山本線を共有する地上駅です。静かな住宅街と水田が広がる地域にあり、周辺には学校や公園などの施設も点在しています。

開業から現在までの歴史

西富山駅は、1927年、高山本線の一部区間が開通した際に開業しました。当初は一般駅として、旅客と貨物の両方を扱っていました。その後、幾度かの営業範囲改正を経て、手荷物や小荷物の取扱いを廃止したり、逆に旅客・貨物両方の取扱いを再開したりと、時代の変化に合わせて運営形態を変えてきました。

特に注目すべきは、貨物輸送の変遷です。開業当初から一般駅として貨物を取り扱っていましたが、1996年には車扱貨物の取扱いが臨時化され、同時に無人駅となりました。これに伴い、駅構内の貨物設備も撤去されました。かつては、複数の企業への専用線が接続されており、活況を呈していた様子がうかがえます。

1987年の国鉄分割民営化以降は、JR西日本とJR貨物の共同管理下に置かれましたが、貨物業務の縮小を経て、現在の無人駅という形になっています。

駅の構造と周辺環境

西富山駅は、相対式ホーム2面2線を有するシンプルな構造です。木造駅舎は、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気を醸し出しています。2番線は、かつては増発時のみ使用されていましたが、2006年からは高山本線の増発実験で使用が再開されています。

駅周辺は、水田が広がるのどかな風景の中に、住宅地が点在しています。最寄りの富山地方鉄道の駅からは少し離れていますが、富山大学五福キャンパス、富山県立富山工業高等学校、富山県立富山商業高等学校、富山市立五福小学校、そして城山公園など、教育・文化施設が比較的近くにあります。

貨物取扱いの変遷と専用線

西富山駅は開業以来、長らく一般駅として貨物を取り扱ってきました。1981年には専用線発着車扱貨物の取扱いを開始し、複数の企業と鉄道を繋ぐ重要な拠点となっていました。

資料によると、接続されていた専用線は、時期によって企業や用途、さらには動力源も異なっていたことがわかります。例えば、初期には新報国製鉄線があり、日本通運が利用していました。その後、呉羽製鉄線、住友セメント線、シェル石油線などが接続され、それぞれの企業の物流を支えていました。1983年には日本アルコール販売線も加わりましたが、1996年の貨物取扱臨時化によって、これらの専用線はすべて撤去されました。

利用状況と今後の展望

西富山駅の利用状況は、近年減少傾向にあります。これは、周辺地域の社会情勢や交通手段の変化などに影響されていると考えられます。無人駅となったことで、利便性の低下も懸念されますが、地域住民にとって身近な存在であり続けることは間違いありません。

今後も、高山本線における役割を担いつつ、地域社会に貢献していくことが期待されます。

隣の駅

婦中鵜坂駅
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まとめ

西富山駅は、長きにわたる歴史と、時代の変化を反映した運営形態の変遷をたどってきた駅です。かつては活気のある貨物駅として機能していましたが、現在は無人駅として静かにその役割を続けています。周辺環境との調和を保ちつつ、地域住民にとってなくてはならない存在として、今後も発展を続けていくことを願います。

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