西武ドーム

ベルーナドーム

ベルーナドーム（旧西武ドーム）は、埼玉県所沢市にあるドーム型の野球スタジアムで、プロ野球チーム埼玉西武ライオンズの本拠地として知られています。緑豊かな狭山丘陵に囲まれたこの場は、選手やファンにとって特別な場所となっています。2022年以降は、通信販売企業ベルーナが命名権を取得し、名称がベルーナドームとなりました。

ドームの特徴と設計

このドームは特異な掘り下げ式の構造で、観客席が地上から掘り下げられた丘の斜面に配置されています。これにより、観客は外野スタンドのスロープを通じてスタンドに入場します。また、現存するドーム球場の中でも最も低コストで建設されたことや、環境への配慮から「自然環境共存型スタジアム」として宣伝されている点も特徴です。1999年には埼玉県庁から「彩の国景観賞」を受賞しています。

特筆すべきは、このドームが日本で唯一「場外ホームランの出るドーム球場」であることです。これは壁面がない設計によるもので、観客は屋外のように開放感を楽しむことができます。

天候への影響と快適さ

ただし、立地条件が内陸にあるため、春先や秋口は寒く、夏場はナイトゲームでも蒸し暑さが増します。ドーム化により日射が遮られた事で、熱がこもってしまうのです。強制換気の設備は設置されておらず、大型扇風機が設けられていますが効果は限られます。降雨時には湿気がこもり、時にはフィールド内に霧が立ち込めることもあります。夏場は熱中症対策も必要です。特に、他のドーム球場と異なり、デーゲームでの開催が難しいこともこの圧迫感に影響を与えています。

観客と喫煙所

2021年には、喫煙所が獅子ビル屋上に移動し、分煙状況が改善されました。以前は屋根内に喫煙所を設けられなかったため、通路やスタンドへの煙の流入が懸念されていました。分煙対策が進む一方で、2020年以降の席の充実を通じて観客動員数が回復傾向にあります。

歴史的な変遷

元々は1963年に完成した「西武園球場」で、主にアマチュア野球に使用されていましたが、1979年には西武ライオンズの本拠地として改築されました。その後、1997年から1999年にかけてドーム化工事が行われ、国内で5番目のドーム球場として生まれ変わりました。この際、全方位へ自然の光を取り入れる設計が評価されています。

周辺施設とアクセス

スタジアムには、選手寮や練習場が隣接しており、他には獅子ビルやライオンズ チームストアが存在します。また、最寄り駅の西武球場前駅からは、徒歩ですぐアクセスできる便利な立地です。試合の日は増発の列車が運行され、観客の利便性が高まっています。

結論

ベルーナドームは、四季折々の自然と共存しつつも、その設計や歴史的な背景によって多くのファンに愛され続けている特別な場所です。野球だけでなく、さまざまなアクティビティやイベントが行われる場としても重要な役割を果たしています。

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