角幡唯介

角幡唯介の探検と執筆の軌跡

角幡唯介（かくはた ゆうすけ）は、1976年2月5日生まれの日本のノンフィクション作家かつ探検家です。北海道芦別市で育ち、現在は神奈川県鎌倉市に住んでいます。彼の著作や活動は、冒険と人間の関係を深く掘り下げるもので、過去には数多くの探検の旅を行っています。

経歴と探検の旅

角幡は、祖父の代から続く「角幡商店」の長男として生まれました。家業であるスーパーマーケットが経営難に陥ったため、彼は大学進学を目指すことを決めました。函館ラ・サール高等学校を経て慶應義塾大学に入学しましたが、そのカリキュラムに失望し中退。その後、早稲田大学政治経済学部に進学し、探検部に入部しました。彼が東京の大学を選んだ理由は、家業を継ぐことから逃れるためだったと言われています。

早稲田大学探検部での活動中に、ペルーでの重大な事件に遭遇しましたが、2001年にはヨットでの太平洋航海を経て、ニューギニア島のトリコラ山北壁初登頂を果たします。2002年から2003年にかけては、チベットのヤルンツァンポ川峡谷の未踏査部分の探検に挑戦しました。2003年には朝日新聞社に入社し、富山や北埼玉の支局での勤務を経て、2008年には退職しネパールの雪男捜索隊に参加しました。

その後も角幡は、ツアンポー峡谷の核心部の踏破、カナダ北極圏の徒歩探検など数々の挑戦を続けました。彼の探検は、単なる自然探査に留まらず、地域の文化や人々との関わりを大切にする姿勢が見受けられます。

受賞歴と著作

角幡の探検や執筆活動は、高く評価されており、多くの賞を受賞しています。2010年には『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で第8回開高健ノンフィクション賞を受賞し、2011年には同書でさらに二つの賞、すなわち第42回大宅壮一ノンフィクション賞と第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞しました。続いて、2012年には『雪男は向こうからやってきた』で第31回新田次郎文学賞を、2013年には『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で第35回講談社ノンフィクション賞を受賞しました。

彼の著書には、探検の実情を描いた作品が多く、特に『探検家の日々本本』や『極夜行』などが評価されています。彼の作品は、探検の興奮や人間の弱さ、そして自然との関わりを巧みに表現しており、多くの読者に影響を与えています。

メディア出演

近年は、テレビ番組にも出演し、冒険や探検に関する講義や対談を行っています。2024年1月には、NHK Eテレで放送された「SWITCHインタビュー」にも登場し、視聴者に向けて自らの経験や探検の魅力を語りました。

最後に

角幡唯介は、探検家としての冒険の旅と、ノンフィクション作家としての執筆の両方で独自の足跡を残してきました。彼の作品や活動は、私たちに自然や人間の本質について考えさせ、探求心や冒険心を新たにさせてくれます。今後の彼のさらなる活躍が期待されます。

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