語録

語録（ごろく）とは

語録とは、一般的に特定の人物の発言や言葉を集めたものを指します。その起源は禅宗にあり、師僧の言行や説法、年譜などを記録した文献を指していました。しかし、時代を経て意味が広がり、現在では禅宗以外の宗派、政治家、芸能人など、様々な分野の人物の言行を収録した言行録全般を指すようになりました。

禅宗における語録

禅宗における語録は、唐代中期頃から作成され始めました。当初は、師に直接学んだ弟子たちが、それぞれの記憶に基づいて断片的な問答を記録していました。これらの記録は、師が亡くなった後、弟子たちによって集められ、編集されて一冊の書物としてまとめられました。これが初期の語録の形です。

五代の時代になると、語録の作成方法に変化が見られるようになります。それまでの死後に編集される形式から、師自身が生存中に監修し、内容を吟味した上で編集される形式が登場しました。これにより、より正確で、師の意図が反映された語録が作成されるようになりました。

代表的な語録

禅宗には数多くの語録が存在しますが、その中でも特に重要なものとして以下のものが挙げられます。

臨済録：臨済宗の開祖である臨済義玄の言行を記録した語録です。臨済の峻厳な指導と、弟子との激しい問答が特徴で、禅宗の思想を力強く伝えています。
碧巌録：中国の禅僧である圜悟克勤が、過去の公案（禅問答）に注釈を加えたものです。禅の修行における重要な手引きとして、広く用いられています。
* 古尊宿語要：過去の著名な禅僧たちの語録から、重要な部分を抜粋して編集したものです。禅の歴史と、その思想のエッセンスを学ぶ上で貴重な資料となっています。

これらの語録は、禅の思想や歴史を学ぶ上で欠かせない文献であり、現代においても多くの人々に読まれ、研究されています。語録を読むことで、禅の奥深い世界に触れ、自己の探求を深めることができるでしょう。

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