誰のせいでもない

映画『誰のせいでもない』

『誰のせいでもない』（原題: Every Thing Will Be Fine）は、2015年に制作された、ドイツ、カナダ、フランス、スウェーデン、ノルウェーの共同作品です。この映画は、監督のヴィム・ヴェンダースが手がけ、小説家を演じるジェームズ・フランコが主演するなど、豪華なキャスト陣が特徴となっています。共演者にはシャルロット・ゲンズブール、マリ＝ジョゼ・クローズ、レイチェル・マクアダムスがあり、彼らが演じるキャラクターは物語を通じて深い感情を紡いでいきます。

あらすじ

物語は、小説家トマスが恋人サラとケベック州の静かな田舎で生活しているところから始まります。トマスは仕事に専念したいと思っている一方、サラは結婚を強く望んでいます。この二人の間には明らかにすれ違いがあり、彼らの関係は緊張を帯びていきます。

冬のある日、トマスが車で帰っている途中、雪に覆われた道路に少年たちのソリが滑り込みます。彼は急ブレーキをかけるものの、事故が発生してしまいます。無傷だった少年クリストファーに対し、もう一人の少年ニコラスは命を落としてしまいます。この悲劇がトマスの人生を一変させます。

事故の数日後、トマスはサラとの関係を終わらせます。彼は深い悲しみに沈み、酒や薬物に依存するようになり、その結果、入院することとなります。入院から退院した後も、事故の記憶は彼を苦しめ続けますが、トマスは小説の執筆に集中し、その過程で一定の成功を収めることになります。

一方、ニコラスの母ケイトは、この事故によって深い喪失感を抱えながらも、トマスと連絡を取ることになります。彼女との交流を通じて、トマスは少しずつ心の安らぎを見出していきます。その後、彼は編集者のアンと結婚し、彼女の連れ子ミナと共に新たな家庭を築いていきます。

11年の歳月が過ぎた頃、成長したクリストファーからトマスに手紙が届きます。彼は学校の心理学者からトマスに会うことを勧められ、悩みを抱えた少年としてトマスを訪ねてきます。深夜、対面した二人は少しずつ心を通わせていきます。そして、クリストファーは次の日、トマスの家を出て学校へと向かうのです。トマスは彼を見送る際、穏やかな微笑みを浮かべます。

キャスト

• - トマス: ジェームズ・フランコ
• - ケイト: シャルロット・ゲンズブール
• - アン: マリ＝ジョゼ・クローズ
• - サラ: レイチェル・マクアダムス
• - クリストファー: ロバート・ネイラー
• - トマスの父: パトリック・ボーショー
• - 編集者: ピーター・ストーメア
• - ミナ: ジュリア・サラ・ストーン

上映

本作は、2015年2月10日に第65回ベルリン国際映画祭で上映され、その後、同年4月2日にドイツで一般公開されました。日本では2016年11月12日に劇場公開されました。

評価

『誰のせいでもない』は、Rotten Tomatoesにおいて35件の批評家レビューを受け、平均点は4.8点、支持率はわずか26%という評価を得ました。また、Metacriticでも13件のレビューから平均32点という評価です。全体的に賛否が分かれる作品となっています。

この映画は、トマスの人生における苦悩と再生の過程を描いており、人間関係が持つ複雑さや、過去の出来事が未来に与える影響を深く考察しています。

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