豊田市郷土資料館

豊田市郷土資料館：豊田市の歴史と文化を伝える施設

1967年1月16日、豊田大塚古墳の発掘調査をきっかけに、愛知県豊田市に豊田市郷土資料館が開館しました。考古学、歴史、民俗学に関する資料を収集・保存し、一般公開することで、豊田市の歴史と文化を広く伝える役割を担っていました。

資料館の構成と展示

資料館は本館を中心に、いくつかの建物から構成されていました。移築された茅葺き屋根の民家（市内豊松町から移築、築約270年）を展示施設として活用した民俗資料館では、生活用具や道具など、豊田市の人々の暮らしぶりを伝える貴重な資料が展示されていました。また、市内野見山町にあった樫尾1号墳も移築され、敷地内に保存されていました。さらに、土蔵なども併設され、多様な資料を展示する空間を形成していました。

これらの建物で展示されていたのは、豊田市に関連する考古資料、歴史資料、民俗資料です。特に民俗資料館の展示は、かつての豊田の農村生活を垣間見ることができ、来館者に多くの学びを与えていました。

資料館のマスコットキャラクターとして、「すえちゃん」と「どうたくん」が親しまれていました。「すえちゃん」は、市内古墳から発掘された須恵器を、「どうたくん」は銅鐸をモチーフとしてデザインされています。これらのキャラクターは、資料館を象徴する存在として、多くの人々に愛されてきました。

関連施設との連携と閉館

1970年には、資料館の北側に豊田市立図書館が開館しました。その後、1998年には名鉄豊田市駅前に豊田市中央図書館が開館したことに伴い、豊田市立図書館の建物は郷土資料館の文化財倉庫として活用されました。

資料館は長年にわたり、豊田市における歴史と文化の保存・伝承に貢献してきましたが、2022年9月30日に閉館しました。

豊田市博物館への統合

2024年4月26日、豊田市小坂本町の豊田市美術館隣接地、愛知県立豊田東高等学校の移転跡地に、豊田市郷土資料館と豊田市近代の産業とくらし発見館が統合された「豊田市博物館」が開館しました。新たな博物館では、豊田市の歴史と文化、そして近代産業の発展までを網羅した展示が展開されています。

アクセス

豊田市郷土資料館へのアクセスは、名鉄豊田線・三河線「梅坪駅」から徒歩約10分、「豊田市駅」から徒歩約15分、またはとよたおいでんバス「陣中町1丁目」バス停から徒歩約5分でした。

まとめ

豊田市郷土資料館は、豊田市の歴史と文化を伝える上で重要な役割を果たした施設でした。閉館後も、その資料や歴史は新たな豊田市博物館に引き継がれ、これからも豊田市の魅力を伝える上で重要な拠点として機能していくことでしょう。

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