赤嶺旋風

赤嶺旋風とは

赤嶺旋風（あかみねせんぷう）は、1947年の終わりに中日ドラゴンズの球団代表であった赤嶺昌志が辞任し、11人の選手と共に球団を離れた事件を指します。この出来事は、戦後間もない日本においてプロ野球の再編につながる重要な出来事であり、1952年まで続きました。

赤嶺の中日ドラゴンズ運営

中日ドラゴンズは1936年に名古屋軍として創立されましたが、赤嶺昌志は、1937年から球団経営の重職に就きました。彼は、ほかの球団が見向きもしなかった東都大学野球連盟に目を付け、新たな選手の発掘に努めました。さらに、他球団との選手引き抜き合戦を展開し、多くの選手を獲得しました。

1942年には新聞統制令により中部日本新聞社が誕生し、赤嶺は球団運営を独力で行う状況に直面しました。戦況が厳しい中でも、彼は球団を維持し続けましたが、1946年、赤嶺が「中部日本」と名乗った際、中部日本新聞社が球団経営への介入を強化しました。こうした事情が背景にあったため、内部の人事に関する混乱が続き、選手たちは赤嶺に対して反発するようになりました。

赤嶺の解任と選手たちの集団退団

中日ドラゴンズは1946年にリーグ最下位となり、1947年にも低迷を続けました。その結果、1947年11月1日に赤嶺は球団代表から解任され、新たに中村三五郎が後任として招聘されました。しかし、これに反発した赤嶺は、12人の主力選手とマネージャーを引き連れ、集団退団する事態に至ります。この集団離脱は中日ドラゴンズだけでなく、日本野球連盟全体にショックを与えました。

大映への移籍とその後

集団退団した12人の選手の中には、前年に巨人軍から移籍した藤本英雄も含まれており、彼は再び巨人に戻り、赤嶺率いる新たなチームに参加する選手たちと行動を共にしました。赤嶺は大映社長の永田雅一が設立した新球団「大映球団」に選手を供給しようとしましたが、日本野球連盟からの加入が却下されました。さらなるチャレンジとして東急フライヤーズとの合併を試みましたが、こちらも失敗し、赤嶺は「球界を混乱に陥れた」として永久追放処分を受けることとなりました。

赤嶺の復帰と松竹ロビンスへの移籍

その後、赤嶺が復帰した大映球団は様々なトラブルを抱えながらも松竹ロビンスに主力選手を移籍させ、リーグ優勝を果たします。しかし、内部の対立が深刻化し、チームが次第に弱体化していきました。最終的に、松竹ロビンスは大洋ホエールズと合併することで消滅し、赤嶺は広島カープへの移籍を試みましたが、報道によって計画は頓挫しました。

赤嶺旋風の影響

赤嶺旋風は中日ドラゴンズにとって苦い経験となり、これを契機に球団経営が本格化しました。この一連の事件は、日本プロ野球の規約や選手の保有権についてのルール作りにも影響を及ぼし、球界の体制が見直されるきっかけとなりました。赤嶺が引き起こした波紋は、プロ野球全体にとって重要な転機となり、以後の運営や規制に大きな影響をもたらしたのです。

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