越境台風
越境台風とは
越境台風とは、太平洋で発生する熱帯低気圧のうち、日本の気象庁が観測対象とする範囲外で発生したものが、観測範囲の境界線を越えて「台風」として分類されるようになったものを指す俗称です。
具体的には、太平洋北西部や南シナ海以外の海域で発生したハリケーンやサイクロンなどの熱帯低気圧が、観測範囲内に移動してくることで、気象庁によって「台風」として扱われるようになります。逆に、日本近海で「台風」として発生した熱帯低気圧が、観測範囲外へ移動することで、「ハリケーン」や「サイクロン」として分類される場合もあります。
越境台風は、主に8月から9月にかけて発生することが多く、その進路や勢力は、通常の台風と同様に、日本を含む東アジア地域に大きな影響を与える可能性があります。
国際名に関しては、越境前にハリケーンやサイクロンとして命名されていれば、その名前がそのまま使用されます。例えば、ハリケーンとして命名されたものが、日本近海に移動して「台風」として扱われるようになっても、名前は変わらずにそのまま使われます。
越境する熱帯低気圧の種類
越境する熱帯低気圧は、主に以下の3つのタイプに分類されます。
1. 西経域の熱帯低気圧が、経度180度線を越えて東経域に入る
- このタイプは、西経域で発生したハリケーンが、太平洋を西に進んで経度180度線を越え、気象庁の観測範囲に入ることで「台風」に分類されるものです。過去の越境台風の多くがこのタイプに該当します。
2. 東経域の熱帯低気圧が、経度180度線を越えて西経域に出る
- このタイプは、日本近海で発生した「台風」が、東へ進んで経度180度線を越え、西経域に出ることで、ハリケーンとして分類されるようになるものです。この場合、日本の気象庁の観測対象から外れるため、ハリケーンとして扱われます。
3. 東経100度以東の熱帯低気圧が、東経100度以西に進む
- このタイプは、東経100度以東で発生した「台風」が、西に進んで東経100度以西のインド洋に達することで、サイクロンに分類されるものです。このパターンは、他のタイプに比べて発生頻度は低いとされています。
過去に発生した越境台風の多くは、西経域の熱帯低気圧が経度180度線を越えて東経域に入り、ハリケーンから台風になったものでした。一方で、インド洋から域内に入り、サイクロンから台風になる熱帯低気圧は非常に稀です。
過去に発生した越境台風の例
過去には、数多くの越境台風が発生しています。具体的な事例については、関連リンクを参照してください。
これらのリストを参照することで、過去にどのような熱帯低気圧が越境し、どのように分類が変わったのかを確認することができます。
越境台風は、通常の台風と同様に、進路や勢力によって日本を含む東アジア地域に大きな影響を与える可能性があります。そのため、越境台風が発生した際には、気象庁の発表する情報に注意し、適切な防災対策を行うことが重要です。
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