路上ライブ

路上ライブとは

路上ライブは、ストリートライブとも称され、歩道や公園といった屋外のスペースで音楽演奏を行うアート形式の一つです。演奏をする人々は「ストリートミュージシャン」として知られ、歌を提供する者は「ストリートシンガー」と呼ばれます。また、漫才やダンス、アートパフォーマンスなども含めて「ストリートライブ」と称され、音楽演奏と他のパフォーマンスを組み合わせることも多く見られます。

歴史

日本における路上ライブの始まりには諸説がありますが、一般的には1970年代後半の「新宿西口フォークゲリラ」や1980年代の休日の歩行者天国におけるパフォーマンス活動が最初とされています。特に1997年にはゆずや19といったストリートミュージシャンが人気を博し、再び注目が集まりました。これ以降、アーティストによる路上ライブが一時的に下降しつつも、細々とした活動が続いています。アメリカでは1929年の世界恐慌後に活動を始めたウディ・ガスリーやロバート・ジョンソンといったミュージシャンが先駆けとされています。ロンドンでは、地下鉄でパフォーマンスを行う「バスカー」という存在があり、ライセンス制度が設けられるなどの制度化が進められています。

目的

路上ライブはアーティストにとって、多くの費用をかけずに作品を世に広める手段として利用されます。CDやチケットの販売も行うことで、知名度向上や技術向上を目指す実演者も多くいます。観客からの投げ銭を得ることも、路上ライブにおける重要な収入源となっています。

実演場所

路上ライブの実演場所は、中心部の駅前や賑やかな公園が主です。実演者は周囲に人が集まりやすい環境と音を出しやすい条件を求めます。音響の拡散を防ぐためには、屋根のある場所が好ましいとされています。特に便利な場所として、東京の高架下や音も多い深夜の繁華街なども選ばれることがあります。

実演方法

音楽の実演方法はシンプルなア・カペラから始まり、アコースティックギターなどの楽器を用いたスタイルが一般的です。また、拡声器を使って演奏を行うこともあり、外部電源を伴う演奏も可能です。実演者は、れいによく見かけるギターケースや空き缶を用いて観客からの投げ銭を受け取ります。

問題点

路上ライブの活動には、道路交通法や各自治体の条例により許可が必要な場合があります。無許可での活動は通行妨害となる可能性があり、過去には大きな交通渋滞を引き起こした事例もあります。これらの規制により、演奏者間でもトラブルが発生しやすくなります。

その他

ニューヨーク市の地下鉄では、1985年からオーディションを受けたストリートミュージシャンによる合法的な演奏活動が行われています。類似する試みとして、東京駅構内での「駅コン」がありましたが、現在は休止中です。

2024年の神奈川新聞の記事では、警察の取り締まりと表現の自由について議論され、路上での表現活動を支えることが文化の向上につながるとされました。

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