近鉄御所駅

近鉄御所駅：奈良の地に佇む終着駅

近鉄御所駅は、奈良県御所市末広町に位置する、近畿日本鉄道御所線の終着駅です。駅番号はP26。1930年（昭和5年）の南和電気鉄道開通と同時に開業し、幾度の路線名変更を経て、現在の名称となりました。2021年（令和3年）からは無人駅として運営されています。

歴史を刻む駅舎：昭和初期からの軌跡

近鉄御所駅の歴史は、南和電気鉄道御所町駅として開業した1930年（昭和5年）に遡ります。その後、関西急行鉄道への合併、南海鉄道との戦時統合を経て、近畿日本鉄道の駅となりました。駅名の変更も幾度か経て、現在の「近鉄御所駅」に落ち着きました。PiTaPaの導入（2007年）や、無人駅化（2021年）など、時代とともに変化を遂げながらも、長い歴史を物語る駅舎は、地域のシンボルとして今もなお人々の暮らしを見守っています。

駅構造：終着駅としての機能美

地上駅である近鉄御所駅は、相対式2面2線のホーム構造を持ち、4両編成の列車に対応しています。終着駅ながら、櫛形ではなく引き上げ線がある点が特徴的です。これは、かつて計画された五条方面や五新線への延伸構想の名残と考えられています。駅舎は1番線ホーム東側に位置し、2番線ホームとは構内踏切で結ばれています。踏切は車止め側に設置されており、通常は1番線ホームのみ使用されます。2番線ホームは15時台の1列車のみ使用されます。

利用状況：地域の交通の要所

近鉄御所駅の1日平均乗降人員は、近年減少傾向にあります。ピーク時には4000人を超えていた乗降人員も、近年は2500人前後となっています。この減少は、人口減少や自動車の普及など、様々な要因が考えられます。それでも、地域住民の生活の足として、重要な役割を担っていることは間違いありません。

駅設備：無人駅としての利便性

無人駅となった近鉄御所駅ですが、PiTaPaやICOCAに対応した自動改札機、自動精算機が設置されており、利便性は維持されています。ただし、特急券や定期券の窓口販売は2018年4月に終了しており、購入はできません。

駅周辺：生活圏を支える施設

近鉄御所駅周辺には、警察署、郵便局、市役所、病院、スーパーマーケットなどの生活に必要な施設が充実しています。また、教育機関である奈良県立青翔中学校・高等学校や、鴨都波神社などの史跡も徒歩圏内にあります。さらに、JR和歌山線の御所駅も徒歩圏内にあり、複数の交通手段を利用することができます。

バス路線：広範囲をカバーするネットワーク

近鉄御所駅からは、奈良交通と御所市コミュニティバスが運行しており、周辺地域へのアクセスを確保しています。奈良交通の路線は、五條市、大和八木駅、新宿方面など、広範囲に渡って運行しています。御所市コミュニティバスは、市内を網羅する路線網で、地域住民の生活を支えています。

隣の駅

近鉄御所駅の隣駅は、忍海駅です。

まとめ：地域に根ざした駅

近鉄御所駅は、長い歴史と地域住民の生活に密着した駅です。無人駅化という変化もありましたが、その機能は維持され、地域社会を支え続けています。これからも、御所市の発展に貢献していくことでしょう。

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