選択教科

選択教科とは

選択教科とは、学校教育において、生徒が自身の興味や進路に応じて選択して履修できる教科のことです。必修教科とは異なり、選択教科を履修しなくても進級や卒業は可能ですが、多くの場合、いくつかの選択教科から必要な単位数を取得することが求められます。

日本の学制における選択教科

小学校

小学校では、学習指導要領上、選択教科の規定は存在しません。すべての教科が必修として扱われます。

中学校

中学校では、生徒の多様な学習活動を支援するため、学校ごとに適切な選択教科を設けることが定められています。具体的には、第2学年で1教科以上、第3学年で2教科以上の選択教科を設ける必要があります。選択教科に割り当てる時間数は、第1学年では最大30単位時間、第2・3学年では最大70単位時間と定められています。

高等学校

高等学校では、学習指導要領上、選択教科の規定はありませんが、実際には必修科目以外に選択科目を履修することになります。生徒は、自身の進路や興味関心に合わせて、幅広い科目から選択して学習を進めることができます。

英国の学制における選択科目

イギリスでは、16歳までが義務教育であり、選択科目として、アート、音楽、演劇、家庭科、木工、陶芸、写真などが設定されています。これらの科目は、生徒の創造性や実用的なスキルを伸ばすことを目的としています。

ドイツの学制における選択領域

ドイツのギムナジウム（高等学校）上級段階では、必修領域に加えて選択領域が設けられています。バーデン・ヴュルテンベルク州を例にとると、選択領域は以下の3つに分類されます。

課題領域I（言語/文学/芸術領域）

この領域では、課外活動としての外国語（フランス語、ラテン語、ギリシャ語、ロシア語、ヘブライ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、日本語、トルコ語）や、文学関連の教科が選択可能です。

課題領域II（社会科学領域）

この領域では、哲学や心理学などの科目が選択可能です。

課題領域III（数学/自然科学/技術領域）

この領域では、天文学、図学、コンピュータ代数システムを用いた問題解明、地学、情報学などが選択可能です。

選択教科の意義

選択教科は、生徒が自身の興味や関心、進路希望に応じて学習内容を選択できるという点で、非常に重要な役割を果たします。これにより、生徒は主体的に学習に取り組むことができ、学習意欲の向上や個性の伸長につながります。また、将来の進路選択や職業選択に向けて、必要な知識やスキルを習得する機会を提供します。

関連項目

教科 - 教科の一覧
教育課程
* 総合的な学習の時間

もう一度検索