長居

大阪府大阪市 長居地区：歴史と現在

大阪市住吉区と東住吉区にまたがる長居地区は、住宅地と広大な長居公園が調和した地域です。古くからの歴史と、近代的な都市開発が織りなす魅力的なエリアについて、詳しく見ていきましょう。

長居地区の地理と交通

長居地区は、住吉区の長居1～4丁目、長居西1～3丁目、長居東1～4丁目、そして東住吉区の長居公園を含みます。住吉区側は住宅地が中心で、一戸建て住宅やマンション、団地が混在しています。一方、東住吉区側は、ほぼ全域が緑豊かな長居公園として整備され、様々なスポーツ施設や文化施設が充実しています。

交通の便も良く、JR阪和線とOsaka Metro御堂筋線が乗り入れる長居駅があります。かつて阪和線は地平を走っていたため、踏切による交通渋滞が問題となっていましたが、2006年の高架化工事により解消されました。道路網としては、南北に「あびこ筋」、東西に「長居公園通」、東端には「長居公園東筋」が走り、大阪シティバスの路線も複数運行しています。

地名の由来と発音

長居という地名は、かつてこの地域にあった大御池（長居池）に由来します。この池は現在では存在しませんが、地名として今も地域に息づいています。なお、標準語では「ながい」と頭高型で発音されることが多いですが、地元では平板型、もしくは中高型の発音が一般的です。

歴史：農村から近代都市へ

江戸時代、長居地区は住吉郡寺岡村、堀村、前堀村の一部でした。農村として米や麦、野菜などが栽培され、相模小田原藩領、下総古河藩領として栄えました。現在の大阪市立長居小学校付近には、住吉と堺を結ぶ街道の分岐点にあった追分茶屋「三軒家」がありました。

明治時代に入ると、町村制施行により周辺の村と合併し依羅村となりますが、地理的な遠さから、寺岡、堀、前堀の3大字は1894年に分離し、長居村として独立しました。

1920年代後半、長居公園の整備計画が開始されましたが、第二次世界大戦によって中断。戦後、一時的に競馬場や競輪場として利用された後、1959年から本格的な公園整備が再開され、現在の広大な公園となりました。戦後間もない頃は農村地帯でしたが、1950年代から宅地開発が進み、住宅地へと変貌を遂げました。

長居地区の現在

現在、長居地区は、緑豊かな長居公園と住宅地が調和した、住みやすい地域として発展しています。長居公園には、ヤンマースタジアム長居をはじめ、様々なスポーツ施設や博物館、植物園などが集積し、多くの人が訪れます。また、長居駅周辺には商店街が形成され、生活に必要な施設も充実しています。

長居地区には、大阪学芸高等学校・附属中学校、大阪市立長居小学校など、教育施設も充実しており、家族連れにも人気が高い地域となっています。都市再生機構による大規模な住宅団地「サンヴァリエ東長居」も整備され、近代的な住環境も提供されています。

まとめ

長居地区は、歴史と自然、そして現代的な都市開発が融合した、魅力あふれる地域です。長居公園という貴重な緑地空間を有し、交通アクセスも良好なことから、今後もますます発展していくことが期待されます。歴史を紐解きながら、現在の長居地区の魅力を再発見し、その未来に想いを馳せていただければ幸いです。

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