長船駅

長船駅：瀬戸内市の歴史と未来を繋ぐ駅

岡山県瀬戸内市、かつて邑久郡長船町と呼ばれた地に位置するJR西日本赤穂線・長船駅。駅番号JR-N09。この駅は、1962年9月1日に赤穂線の伊部駅～東岡山駅間の延伸に伴い開業しました。それから約60年、長船駅は地域の変遷を静かに見守り続けてきました。

開業当初は有人駅として賑わいを見せ、多くの乗客で活気に満ちていたことでしょう。しかし、時代の流れとともに変化も訪れます。1983年には赤穂線CTC導入に伴い運転要員が廃止され、1984年には荷物扱いも廃止。そして、1987年の国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となりました。

近年では、2007年9月1日から岡山方面でICOCAが利用可能になり、2018年9月15日には播州赤穂方面でもICOCAが利用可能となりました。利便性の向上は、利用者の増加にも繋がったことでしょう。一方で、2022年2月28日にはみどりの窓口が営業を終了し、3月1日には無人駅となりました。これは、少子高齢化や利用者数の減少といった社会情勢の変化を反映した結果と言えます。

しかし、無人化は駅の終焉を意味するものではありません。2023年には、バリアフリートイレを含む駅前施設が完成。高齢者や障害を持つ方にとって、より使いやすい駅へと生まれ変わりました。この新たな施設は、長船駅の未来への投資、そして地域住民への配慮を示す象徴と言えるでしょう。

駅舎はコンクリート造りで、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。列車交換も可能な構造となっており、赤穂線沿線における重要な拠点としての役割を担っています。下りホーム播州赤穂寄りに位置する駅舎と、両ホームを結ぶ跨線橋は、利用者の安全と利便性を確保する上で欠かせない設備です。無人駅ではありますが、自動券売機や両ホームの待合スペースなど、利用者の利便性を考慮した設備が整えられています。

岡山方面への折り返し列車も設定されているため、周辺地域住民の生活の足として、そして観光客のアクセス拠点としても重要な役割を担っています。

駅周辺には、県道69号線沿いに商店などが立ち並び、住宅地や団地、企業事業所なども点在しています。開けた土地柄で、駅周辺は比較的ゆったりとした空間が広がっています。瀬戸内市役所長船支所（旧長船町役場）、瀬戸内市保健福祉センターゆめトピア長船（福祉事務所併設）、瀬戸内警察署長船交番、長船土師郵便局、中国銀行長船支店、備前日生信用金庫長船支店といった公共施設や金融機関も近隣にあり、生活利便性も高いと言えるでしょう。岡山県道69号西大寺備前線、岡山県道83号飯井宿線も駅周辺を通過しており、道路交通網も整備されています。

隣の駅は、上り方面が邑久駅、下り方面が香登駅です。

長船駅は、単なる交通拠点としてだけでなく、地域の生活、歴史、そして未来を繋ぐ重要な存在です。これからも、地域の皆様と共に歩みを進めていくことでしょう。

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