開業医

開業医について

開業医（かいぎょうい）は、自ら診療所や病院を経営する医師や歯科医師のことを指します。勤務医とは異なり、個別に診療を行い、医療法人の形態で運営されているのが特徴です。開業医は、自由に経営を行うことができるため、そのスタイルに応じて医療を提供することが可能です。

種類

開業医は、大きく二つのカテゴリーに分けられます。ひとつは「小規模医療機関」で、主に診療所やクリニックとして個人や少数の医師で運営されるものです。もうひとつは「大規模医療機関」で、これは病院を経営し、数多くの勤務医を抱えている医師や歯科医師が関与しています。

一般的に、小規模医療機関は一つの診療科を中心に診療を提供していることが多いですが、近年は患者の専門医志向の高まりに応じて、複数の診療科を設ける「専門外来」を持つ診療所やクリニックも増加しています。また、異なる専門の医師が同じ建物内に集まる「メディカルモール」の形態も見られるようになり、地域での医療提供の幅を広げています。

診療内容

開業医は、多くの場合、プライマリ・ケアを基本としながらも、特定の診療科に特化していることが多いです。しかし、プライマリ・ケアを提供する能力には医師間での格差が見られるため、質の高い医療提供が求められています。近年では医療機器や設備の充実も進んでおり、CTやMRIなどの検査機器を設置する診療所も増加しています。

経営

開業医の収入は、保険診療による保険点数が基本で、多くの診療行為に対して出来高制で報酬が支払われるのが特徴です。特に自由診療を行っている場合でも保険医登録をしていることが一般的です。

また、開業医は納税面でも特別な优遇措置があり、医師不足をテーマに税制面での優遇がされた経緯もあります。1970年代には開業医の高収入が話題になり、『医は仁術なり』の言葉が『医は算術なり』という言葉へと派生していった歴史もあります。

勤務医との比較

開業医は、勤務医と比較して、業務上の自由がありますが、競争が激しい環境での営業努力が欠かせません。特に都市部においては開業医の数が増えており、特に歯科医院は非常に多く存在しています。患者数の獲得は厳しい競争になりがちです。

開業医への転向をする理由として、定年後も医業を続けられるメリットや、患者との直接的な関わりが深まることなどがあります。しかし、医療機器の高額な設備投資や、開業医ならではの経営の厳しさもあるため、一長一短な面があります。

政治活動

日本医師会や日本歯科医師会のような組織は、開業医が大多数を構成しており、こういった環境が政治的な利権にも影響を与えています。

開業医は、医療の現場における重要な役割を担っており、患者に対する医療提供だけでなく、地域社会や制度への影響力も持っています。

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