関西大学博物館

関西大学博物館：歴史と文化の宝庫

関西大学博物館は、大阪府吹田市にある関西大学構内を拠点とする博物館です。考古学、歴史学、民俗学に関する多様な資料を収集し、一般公開することで、歴史と文化の理解促進に貢献しています。

博物館の起源と発展

当博物館のルーツは、1952年に関西大学に設置された考古学研究室に遡ります。この研究室設立直後、毎日新聞社主であった本山彦一氏から、膨大な考古資料コレクションが遺族より大学に寄贈されました。このコレクションは、その後、大学紛争の影響により一時的に大阪市立博物館に移管されましたが、1974年に学内での展示を再開。1985年には、現在の博物館建物である簡文館に移転しました。そして、1994年4月、博物館法に基づく施設として正式に「関西大学博物館」が開館しました。

その後も、2008年には高松塚古墳壁画の陶板複製展示室が設置され、2010年には大阪都市遺産研究センターが併設されるなど、着実に発展を遂げています。現在も、春には企画展、秋には博物館実習の受講生による展示会が開催され、活気ある活動を展開しています。

本山彦一コレクション：貴重な考古資料群

博物館の重要なコレクションの一つに、本山彦一コレクションがあります。本山氏は、大阪毎日新聞社社長、関西大学評議員を務めた人物で、生涯にわたる収集活動によって莫大な考古資料を蓄積しました。このコレクションには、重要文化財2件（16点）、重要美術品12点を含む、数多くの貴重な品々が含まれています。

本山コレクションのルーツは、幕末から明治にかけて活躍した政治家・洋学者である神田孝平氏の収集品にまで遡ります。神田コレクションには、重要文化財に指定されている石枕（奈良県天理市出土）なども含まれ、本山氏はこれらのコレクションを継承・発展させました。さらに、本山氏自身も日本各地、そして一部国外からの資料を収集し、コレクションを充実させました。その中には、重要文化財に指定されている河内国府遺跡出土品も含まれています。

本山コレクションは、江戸時代の文人・本草学者であった木村蒹葭堂や、明治時代の工匠・古美術鑑定家であった柏木貨一郎の旧蔵品も含まれており、時代や地域を広く網羅する、学術的に極めて高い価値を持つ資料群として知られています。その価値は高く評価され、2011年には「本山彦一蒐集考古資料18,945点」として国の登録有形文化財に登録されました。

簡文館：歴史的建造物

博物館が収蔵されている簡文館は、1928年に図書館として建設された歴史的建造物です。1955年には、著名な建築家である村野藤吾氏により円形部分が増築されました。現在でも、博物館展示室入口の受付には、図書館時代の貸し出しカウンターが現存しており、歴史を感じさせる空間となっています。簡文館の名称は、中国の古典「中庸」の一節に由来しています。2007年には国の登録有形文化財、2018年には大阪府指定有形文化財に登録されています。

関西大学博物館の所蔵品

関西大学博物館は、多くの貴重な文化財を所蔵しています。その中には、重要文化財として、河内国府遺跡出土品（縄文時代の土器、石器など）、石枕など、そして、登録有形文化財として本山彦一蒐集考古資料18,945点などがあります。簡文館自体も大阪府指定有形文化財に登録されています。

来館案内

関西大学博物館は、無料で見学できます。開館時間は午前10時～午後4時です。休館日は、土曜日、日曜日、夏季・冬季休業期間、および大学の定める休館日です。アクセスは、阪急千里線関大前駅から徒歩10分です。

歴史と文化に関心のある方は、ぜひ一度、関西大学博物館を訪れてみてください。貴重な資料の数々と、歴史を感じさせる建物の雰囲気に浸りながら、充実した時間を過ごせることでしょう。

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