関西電力送配電

関西電力送配電株式会社について

関西電力送配電株式会社（かんさいでんりょくそうはいでん）は、大阪市に本社を構え、近畿地方の2府4県を中心に電力の送配電を行っている一般送配電事業者です。関西電力の100%子会社であり、略称は「関西送配電」です。

1. 概要

関西電力送配電は、電気事業法の改正に伴い設立され、発電事業者や小売電気事業者に対して公正な送配電サービスを提供しています。これは、一般送配電事業者が発電事業や小売電気事業を兼営することが禁止される中での法的分離が背景です。2020年4月1日より、その業務が関西電力から移管されました。

2. 事業内容

この会社では、以下の主要な事業を展開しています。

2.1 送配電網の維持

関西電力送配電は、約18,000kmの送電線、900以上の変電所、13万kmを超える配電線を維持しています。また、発電事業者や小売電気事業者からの接続申込みに対応し、必要な設備を設置し、事故や災害時には迅速に復旧作業を行います。

2.2 系統運用

近畿地方の電力系統の安定した運用も重要な役割です。発電と需要のバランスを保ちながら、電圧や周波数を調整し、電気の供給を安定化させています。

2.3 託送供給

託送契約を結んだ小売電気事業者のために、電気を受け入れ、別の地点に供給する託送供給サービスも実施しています。この契約に基づき、顧客に電力を確実に届けます。

2.4 最終保障供給

供給区域内で他の電気事業者からの供給を受けられない需給家に対しても電力を提供し、安定した電力供給環境を維持する役割も担っています。また、再生可能エネルギー発電設備を持つ事業者から固定価格で電気を買い取り、その一部を小売事業者に供給しています。

3. 供給区域

関西電力送配電の供給区域は、主に近畿地方の2府4県（滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県）に広がっており、福井県、岐阜県、三重県の一部も含まれています。この広範な地域への供給を通じて、多くの需要家に電力を届けています。

4. 設備

2020年時点での設備状況は以下の通りです。

• - 送電線の総延長: 約18,804 km
• - 変電所の数: 914箇所
• - 配電線の総延長: 約132,662 km

これらの設備を用いて、電力を適切に配分し、各地の需要へと届けています。特に基幹系統や負荷供給系統を利用することで、安定的な電力の供給が実現されています。

5. 沿革

関西電力送配電は、2013年から2015年にかけて進められた電力システム改革の一環として2019年に設立されました。これにより、関西電力は送配電事業の運営を分離し、2020年に新たに設立した送配電会社に業務が移りました。改革に伴う適応として、社内の体制を整え、専門的な送配電サービスを提供しています。

6. 不祥事

しかし、2023年1月には、情報管理に関する不適切な事件が発生し、経済産業省から業務改善命令を受けたこともありました。この問題に対処するため、関西電力送配電は広報活動の自粛などを行いました。

おわりに

関西電力送配電株式会社は、地域の電力供給の安定化に欠かせない役割を果たしており、発電から需要家への電力の流れを支えています。今後も技術革新やサービスの向上に努め、より良い電力供給を目指していきます。

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