陶磁資料館南駅

陶磁資料館南駅：リニモ沿線の静寂な高台駅

愛知高速交通東部丘陵線（リニモ）の陶磁資料館南駅（L08）は、愛知県豊田市八草町に位置する、のどかな雰囲気漂う高架駅です。駅名からは想像できないほど、周辺は広大な森林が広がり、住宅地とはやや距離があります。

駅の経緯と特徴

計画段階では「科学技術交流センター駅」という仮称名で呼ばれていました。2005年のリニモ開業と同時に開業し、愛知万博開催中は長久手会場東ゲートへのアクセス駅として重要な役割を果たしました。駅名の由来となった愛知県陶磁資料館（現：愛知県陶磁美術館）は瀬戸市にあり、駅名は美術館の改称後も変更されていません。

駅構造は島式ホーム1面2線で、通常は無人駅として運行されています。バリアフリーへの配慮として、エレベーターが2基設置され、安全対策として可動式ホームドアも設置されています。エスカレーターの設置スペースは確保されていますが、現時点では未設置です。

2016年にはICカード『manaca』の利用が可能となり、利便性が向上しました。1日の平均乗車人員は2020年度で94人と、比較的利用者は少ないです。

駅周辺環境とアクセス

陶磁資料館南駅周辺は、自然豊かな環境が広がっています。駅は豊田市に位置しますが、すぐ近くには瀬戸市、長久手市との市境があり、地理的な位置関係が興味深い点です。

近隣には、愛知県陶磁美術館（瀬戸市）、愛知高速交通本社・車庫（長久手市）、知の拠点あいち、あいち産業科学技術総合センター、あいちシンクロトロン光センターなど、研究機関や文化施設が集積しています。これらの施設へのアクセス拠点として、陶磁資料館南駅が機能していると言えるでしょう。

また、当駅はリニモの中でも最も海抜が高い地点（176.3m）に位置しており、天候の良い日には御嶽山や伊吹山、条件が良ければ白山まで見渡せる絶景ポイントでもあります。

一方、隣の八草駅は伊保川沿いの谷間に位置しており、当駅と八草駅間は急勾配となっています。リニモの運行において、この区間は技術的な工夫が必要だったと考えられます。

歴史

2005年（平成17年）3月6日：開業
2016年（平成28年）3月12日：ICカード『manaca』利用開始

隣の駅

まとめ

陶磁資料館南駅は、自然豊かな環境に囲まれた静かな駅です。万博開催時の賑わいから一転、現在は落ち着いた雰囲気の中、近隣の研究機関や文化施設へのアクセス拠点として、ひっそりとその役割を担っています。リニモ沿線の中でも特異な立地条件と、周辺環境の対比が興味深い駅と言えるでしょう。

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