青地清二

青地 清二

北海道小樽市に生まれた青地清二氏は、スキージャンプ界で一時代を築いた選手です。1942年6月21日に生を受け、身長167cm、体重66kgという体格で世界の舞台に挑みました。

競技人生の始まりと国内での活躍

小樽緑陵高校（現在の小樽商業高校）から明治大学を経て、雪印乳業（現在の雪印メグミルク）に所属。学生時代から頭角を現し、実業団入り後も国内の主要大会で数々の栄冠に輝きました。

特に1967年には、全日本スキー選手権大会の90m級で優勝を飾っています。また、1970年3月には宮の森ジャンプ競技場で85.5mという当時のバッケンレコードを樹立するなど、国内トップ選手としての地位を確立しました。

オリンピックへの挑戦

初めてのオリンピック出場は、1968年のグルノーブル大会でした。しかし、この大会では90m級で26位という結果に終わります。当時、次期開催地であった日本は、過去最大規模となる62選手を派遣して臨みましたが、メダルはもちろん、6位入賞者すら出せないという、日本勢にとっては厳しい大会でした。

札幌オリンピックでの栄光「日の丸飛行隊」

そして迎えた1972年、自身2度目のオリンピックとなる札幌大会で、青地氏は輝かしい功績を残します。70m級の競技において、見事銅メダルを獲得しました。この時、金メダルは笠谷幸生選手、銀メダルは金野昭次選手が獲得しており、日本勢がジャンプ競技で史上初めて表彰台を独占するという快挙を成し遂げました。この3人は、後に「日の丸飛行隊」として語り継がれることになります。

特に、青地氏が銅メダルを決定づけた2本目のジャンプは、関係者の間で伝説となっています。テイクオフ後、空中で体勢を崩しかける危うい場面がありながらも、驚異的な粘りとリカバリーを見せ、77.5mまで飛距離を伸ばしました。この執念深い飛びは、多くの人々を驚かせました。金メダリストとなった笠谷幸生氏も、このジャンプについて「青地さん以外ならみんな墜落していた」とその凄さを称賛したと言われています。

競技引退後の歩み

競技生活にピリオドを打った後は、所属先の雪印乳業で社業に専念し、第一線からは退きましたが、OBとしてジャンプ界の発展を温かく見守り続けました。さらに、後に世界王者となる原田雅彦氏が入社した際には、彼が配属されたアイスクリーム課の課長として、社会人としての基礎や心構えを熱心に指導した人物でもあります。

晩年そして遺志

晩年は病との壮絶な闘いを続けた青地氏でしたが、2008年8月14日、胃がんにより札幌市内の病院でその生涯を閉じました。享年66。退院後の計画として、ジャンプに関する著作を執筆し、その収益を未来のジャンパー育成のための基金に充てるという崇高な目標を抱いていましたが、その志を果たすことなく、帰らぬ人となりました。

日本国内での主な優勝記録

1966年1月 第7回NHK杯ジャンプ大会
1966年1月 第21回北海道スキー選手権大会兼国体予選兼全日本選手権予選成年組
1967年2月 第45回全日本スキー選手権大会90m級
1967年3月 第9回HBCカップジャンプ競技会
1968年3月 第7回STV杯争奪ジャンプ大会
1970年3月 第41回宮様スキー競技大会70ｍ級 成年組
1972年1月 第14回HBCカップジャンプ競技会
1974年1月 第15回NHK杯ジャンプ大会
1975年1月 第30回全道スキー選手権大会壮年組
1976年1月 第31回北海道スキー選手権大会壮年組
* 1976年2月 第31回国民体育大会冬季大会純ジャンプ成年三部

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