青葉通り

青葉通：仙台のシンボル、ケヤキ並木の歴史と魅力

仙台市青葉区を代表する通り、青葉通。仙台駅前と西公園通を繋ぐこの通りは、ケヤキの並木道が織りなす美しい景観で知られ、広瀬通、定禅寺通と共に「杜の都」仙台の象徴として親しまれています。しかし、その歴史を紐解くと、戦後の復興計画、路線名の選定、そして「曲直問答」と呼ばれる大論争など、ドラマチックな出来事が数多くありました。

青葉通の誕生と「曲直問答」

元々は「仙台駅川内線」と呼ばれていたこの路線は、1947年、河北新報の公募によって「青葉通」という愛称が命名され、後に正式名称にもなりました。戦後復興計画の一環として、仙台空襲で壊滅した市街地に幅50メートルの広大な道路を建設する構想が持ち上がり、青葉通はその中心的な役割を担うことになりました。

しかし、計画段階で大きな問題が発生します。仙台駅への接続部分の設計をめぐり、「直線にするべきか」「原案通りの曲線にするべきか」という激しい議論、いわゆる「曲直問答」が巻き起こったのです。住民の利害や、駅の移転の可能性などが絡み合い、仙台市議会と市長との間で対立が深まりました。最終的には、建設院総裁の一松定吉氏の判断によって、原案通りの曲線が採用されることとなり、この論争は終結を迎えます。

ケヤキ並木の物語：杜の都の緑を取り戻す

青葉通の建設は1950年から始まり、1954年に完成しました。建設当時は、立ち退きや焼け跡の処理など、多くの困難がありました。工事直後の駅前は土むき出しの状態となり、「仙台砂漠」と呼ばれた時期もありましたが、やがて舗装が進み、街路樹が植えられることで、街の景観は大きく変化していきました。

青葉通のケヤキ並木は、1950年から1965年にかけて植えられました。戦前の仙台は屋敷林が多く緑豊かな都市でしたが、空襲によって緑を失った仙台にとって、青葉通のケヤキ並木は街に緑を取り戻す象徴的な取り組みでした。当初は樹種の選定に様々な議論がありましたが、最終的にケヤキが選ばれ、その美しい景観は、多くの人々を魅了しています。

時代の変化とケヤキ並木の維持

しかし、その後もケヤキ並木は様々な試練に直面することになります。地下鉄工事や道路整備など、建設工事によって、多くのケヤキが伐採されたり、移植されたりしました。特に地下鉄東西線工事の際には、ケヤキ並木の保存を求める反対運動も発生しました。現在も、ケヤキ並木の維持管理は、仙台市の重要な課題となっています。

沿道の魅力：商業、金融、文化が交差する

青葉通沿道には、仙台駅周辺の商業施設、一番町アーケード、そして金融街が広がっています。多くの銀行や証券会社の本店や支店が立ち並び、仙台経済の中枢を担っています。また、晩翠通との交差点周辺には、法曹関係の施設やホテルなどが集中し、多様な機能が混在するエリアとなっています。

地下構造物：都市のインフラを支える

青葉通は、地上だけでなく地下にも重要なインフラが整備されています。仙台駅東西地下自由通路、仙台市地下鉄南北線・東西線、JR仙石線などが通りを貫き、仙台市の交通ネットワークを支えています。

青葉通の未来

青葉通は、戦後復興から現在に至るまで、仙台の歴史と発展を共に歩んできました。ケヤキ並木の維持管理、交通インフラの整備、そして街の活性化など、課題は残されていますが、これからも仙台を象徴する通りとして、その魅力を未来へと繋いでいくことが期待されています。

主要な建物・施設

仙台法務合同庁舎
晩翠草堂
藤崎
ザ・仙台タワー
仙台銀行本店
七十七銀行本店
JR仙台駅
JRあおば通駅
* そして多くの銀行、証券会社、商業施設など

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