養徳院

養徳院について

養徳院（ようとくいん）は、1515年に生まれ、1608年に亡くなった女性で、日本の戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍しました。彼女は、池田恒利の妻であり、織田信秀の側室でもありましたが、彼女の実名は分かっていません。彼女は「大御ち」とも呼ばれ、織田信長の乳母としても知られています。彼女の法名は桂昌です。

生涯の足跡

養徳院は、永正12年（1515年）、近江国または美濃国において池田政秀の娘として誕生しました。彼女の父は嫡子を持たなかったため、養嗣子として滝川貞勝の息子である恒利を迎え入れ、彼の正室となりました。

1536年には恒興を出産。彼は後に織田信長の親友となります。当時、信長はまだ3歳であり、乳母の乳首を噛み破る癖が問題となっていました。しかし、養徳院が乳母になったことでその癖が治ったとされています。このことが彼女の別名「大御ち」に繋がります。

その後、天文7年（1538年）に恒利が死去した後、養徳院は寡婦として出家し、養徳院の名を名乗るようになりました。彼女は信秀の側室となり、娘の小田井殿（栄輪院）を出産しました。

1545年には恒興が信長の御伽小姓として召され、信秀が亡くなると、母子は信長と親しく関わっていました。元亀4年（1573年）には、信長から150貫（約450kg）の知行を与えられます。

戦の時代とその後

1584年、恒興が小牧・長久手の戦いで戦死した際、豊臣秀吉からは「恒興を見守る気持ちで筑前（秀吉）をご覧ください」と慰めの手紙を受け取りました。1589年には秀吉から美濃国方県郡長良に800石の土地を与えられ、隠居地として移住しました。

養徳院は長寿であり、晩年は播磨姫路城に住んでいましたが、慶長13年（1608年）10月26日（旧暦10月16日）に94歳で亡くなりました。彼女は紀州高野山に葬られ、戒名は養德院殿盛嶽桂昌大姉、位牌は備前の曹源寺に置かれました。また、京都の妙心寺塔頭護国院には木像がありましたが、その後焼失して盛岳院に移され、現在は岡山県の国清寺に所蔵されています。

まとめ

養徳院は、戦国の激しい時代に生きた女性であり、織田信長との深い絆を持ち、その影響力は彼女の生涯にわたり残りました。その存在は、当時の日本の政治的背景を理解するうえでも重要な役割を果たしています。

もう一度検索