池田恒利

池田恒利（いけだ つねとし）

池田恒利は、戦国時代に活躍した武将であり、池田恒興の父としてその名を知られています。彼の出自は滝川氏にあり、初めは足利義晴に仕えていましたが、後に尾張国に移り住み、池田家の婿養子となることで、その後の池田家の隆盛に大きく貢献しました。

生涯

恒利は、滝川貞勝の三男（または次男）として生まれました。当初は足利義晴に仕えていましたが、享禄年間（1528年から1531年）に職を辞し、尾張国で静かに暮らしていました。その際、剃髪して宗傅と号しました。

池田政秀には娘（養徳院）がいましたが、男子がいなかったため、恒利が婿養子として迎えられることになりました。

一説によると、恒利は元々滝川九郎範勝と名乗っており、滝川一益の祖父である滝川八郎貞勝は櫟野氏の出で、滝川家を継いだ人物でした。また、滝川一益の父である滝川八郎一勝は、池田恒興の父である恒利の兄弟にあたるとも言われています。

恒利は、滝玄蕃允恒元の養子となり滝三四郎恒利と名を変えますが、恒元に実子が生まれたため、滝家を退去しました。その後、尾張に閑居していたところ、池田六郎政秀という浪人から婿養子の依頼を受け、政秀の娘（養徳院）と結婚し、池田を名乗るようになったとされています。この縁談には、当時産婦の取り上げをしていた「取揚婆々」が仲立ちをしたと伝えられています。

天文5年（1536年）、恒利と養徳院との間に嫡男・恒興（後の信輝）が誕生しました。

宗傅は長らく病床に伏せっており、恒興が3歳の時、天文7年（1538年）3月29日に亡くなったとされていますが、没年については天文17年（1548年）とする異説も存在します。

彼の墓は、岐阜県揖斐郡本郷村（現在の池田町）の龍徳寺にあり、一時所在不明となっていましたが、文政4年（1821年）に再発見され、現在は恒興の墓や稲葉氏一族の墓と隣接しています。位牌所は、京都の妙心寺塔頭盛岳院（現在の慈雲院）にあります。

恒利の死後、家督は嫡男の恒興が継ぎました。養徳院はその後、織田信秀の側室となり、滝川一益と森寺秀勝の推挙で信秀の嫡男である吉法師（後の織田信長）の乳母となり、養育に携わったため、池田家は重用されるようになりました。

脚注

池田恒利の出自については諸説あります。
養徳院が織田信長の乳母となったことは、池田家の台頭に大きく影響しました。

参考文献

岡田正人 編『織田信長総合事典』雄山閣、1999年。ISBN 4639016328。
阿部猛; 西村圭子 編『戦国人名事典』新人物往来社、1990年。ISBN 4404017529。
* 蔵知矩 編『国立国会図書館デジタルコレクション 池田勝入斎信輝公小伝』池田家岡山事務所、1934年。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1208517/14 国立国会図書館デジタルコレクション。

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