馬家軍

馬家軍の歴史と影響

馬家軍（ばかぐん）は、1949年まで中国の甘粛、寧夏、青海地域において重要な軍事的権力を持った一族による軍閥です。この一族は、主に甘粛省河州（現在の臨夏回族自治州出身）で、回族に属するムスリムの家系です。馬家軍は数名の主要な指導者によって構成されており、特に馬占鰲、馬安良、馬福祥、馬鴻逵、馬鴻賓、馬海晏、馬麒、馬麟、馬歩芳などの名前が挙げられます。特に馬鴻逵、馬鴻賓、馬歩芳は「西北三馬」と呼ばれ、西北地方におけるその影響力を象徴しています。

馬家軍の誕生は、清末の回教反乱に端を発しています。この時期、馬家軍の指導者たちは民族と宗教のアイデンティティを強く意識しながら、辛亥革命の動乱に乗じて政府側に参加しました。彼らは同じ回族のライバル勢力と激しく争いながら、権力を握っていきました。この過程で、彼らの成功は「回回の血で、やつらの官吏制帽の真珠を赤く染めた」という表現で回民社会に伝えられており、回族の人々にとって特別な意味を持っていました。

馬家軍は一貫して自らの勢力を維持するために、様々な戦略を講じてきました。特に、中国国民党と密接に結びつき、国内の政局においても重要な役割を果たしました。国民党と共に、彼らは中国共産党が進出してきた際にも頑強に抵抗しました。馬家軍の勢力は、共産党の西路軍や日本軍との戦闘においても顕在化し、地域の安全を確保するために力を尽くしました。

国共内戦が激化する中、馬家軍は国民党に味方し、共産党軍と戦いました。しかし、戦局が厳しくなるにつれて、彼らの立場にも変化が生じます。特に馬鴻賓が降伏を決断し、馬歩芳はメッカ巡礼を名目に中東に逃れる一方、馬鴻逵は国民党と共に台湾へ逃亡することになります。こうして、馬家軍は次第にその力を失い、1949年の中華人民共和国の成立とともに歴史の表舞台から姿を消していきました。

馬家軍は、回族の歴史の中で重要な役割を果たした軍閥として、今日でも多くの研究や議論の対象とされています。彼らの存在は、地域における民族的、宗教的なアイデンティティの保持や、政治的な権力闘争における回族の位置づけについての考察を促しており、その影響は今日でも多くの中国の歴史学者によって探求されています。

参考文献

• - 張承志 『回教から見た中国 民族・宗教・国家』 ISBN 4-12-101128-7

外部リンク

• - Xibei San Ma at FOTW

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