骨密度測定

骨密度測定とは

骨密度測定とは、X線や超音波などの技術を用いて骨の密度を測定する検査です。骨塩定量検査とも呼ばれ、骨の健康状態を把握し、骨粗鬆症などの疾患リスクを評価するために行われます。骨密度は、骨の強度や耐久性を示す重要な指標であり、骨折のリスクを予測する上で不可欠です。

骨密度測定の種類

骨密度測定には、いくつかの方法があり、それぞれ測定原理や対象部位が異なります。

MD法（Microdensitometry法）：
別名CXD法（Computed X-ray densitometry法）またはDIP法（Digital Image Processing Method）とも呼ばれます。
DIP法は、MD法の一種で、左手のX線撮影画像から、人差し指の第2中手骨の皮質骨の陰影度と、アルミスロープの陰影度を比較して骨密度を算出します。
DXA法（dual-energy X-ray absorptiometry法）：
デキサ法または二重エネルギーX線吸収測定法とも呼ばれます。
2種類の異なるX線を骨に照射し、X線の吸収率の差から骨密度を測定します。正確な測定が可能で、WHOの基準にも採用されています。骨粗鬆症の標準的な診断方法として広く用いられています。
QCT法（quantitated computed tomography法）：
定量的CT法とも呼ばれます。
CTスキャンを用いて骨密度を測定します。
QUS法（Quantitative Ultrasound法）：
定量的超音波測定法とも呼ばれます。
超音波を用いて骨密度を測定します。

測定部位

測定部位は、測定方法によって異なりますが、一般的に以下の部位が用いられます。

腰椎（L1～L4またはL2～L4）
大腿骨近位部
中手骨
橈骨
踵骨

日本では、骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインで、腰椎と大腿骨近位部の両方の測定が推奨されています。

骨密度値の評価

骨密度値の評価には、若年成人平均値（YAM）を基準としたパーセント表示と、Tスコアが用いられます。

YAM（Young Adult Mean）：
若年成人（20〜44歳）の平均骨密度を100%とした場合の、測定値の割合を示します。
日本では、YAMを基準値として、何％かで骨密度を評価します。
Tスコア：
若年女性（20〜29歳）の平均骨密度を基準とした標準偏差値で、欧米で一般的に用いられます。
Tスコアが-2.5以下の場合、骨粗鬆症と診断されます。
Zスコア:
同年齢の平均骨密度を基準とした標準偏差値です。

診断基準と注意点

日本骨代謝学会のフローチャートでは、以下の基準で骨粗鬆症の診断を行います。

腰椎X線撮影で病的骨折が認められない場合、骨塩定量を行います。
YAMを基準として、70%未満であれば、どの部位でも骨粗鬆症と診断します。
70%〜80%の場合は、骨量減少と診断します。

ただし、以下の点に注意が必要です。

椎体圧迫骨折がある場合、骨密度が見かけ上高く測定されることがあるため、腰椎X線撮影で圧迫骨折の有無を確認する必要があります。
橈骨では、ビスホスホネート製剤の効果判定ができません。
超音波を使用した骨密度測定は、結果にばらつきが大きいため、骨粗鬆症の診断には推奨されていません。
高齢女性においては、DXA法が骨折予測に有用でないという報告もあります。

まとめ

骨密度測定は、骨の健康状態を評価し、骨粗鬆症などのリスクを早期に発見するための重要な検査です。適切な方法で測定を行い、その結果を正しく評価することで、骨の健康維持に役立てることができます。

関連項目

骨密度
骨粗鬆症

もう一度検索