骨董品

骨董品とは

骨董品（こっとうひん）は、古美術や古道具のうち、希少価値のあるものを指します。フランス語ではアンティーク（Antique）と呼ばれ、その語源はラテン語の「アンティクウス（Antiquus）」であり、「古い」を意味します。このように、骨董品は古さと希少価値を基準にしていますが、単に古いだけのものや実用的でないものを指して骨董品と呼ぶこともあります。

骨董品のジャンルは幅広く、食器や文具、玩具、貴金属、宝石、衣類、家具などあらゆるカテゴリに渡ります。特に中国の文化においては、古いものが持つ価値について「乱世的金銀 太平時的骨董」という言葉があり、平和な時代にこそ価値があると考えられていました。

骨董品の定義と分類

骨董品の年齢に関する明確な定義は、1934年にアメリカで定められた通商関税法に記録されています。それによると、「製造された時点から100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」が骨董品とされています。この定義は、WTO（世界貿易機関）でも採用されており、各加盟国間で取引される場合には、100年前に製造されたことが確認されたものに対しては関税がかかりません。このように、100年という基準が国際的に一般的に用いられています。

骨董店では、製造から100年以上経過したものをアンティークとし、100年未満のものをジャンク（junk）やラビッシュ（rubbish）として扱うことが多いです。また、ビンテージ（vintage）は元々ワインの製造年を指す言葉ですが、今では一定の年数が経過した質の良いものに使われることが多いです。

日本における骨董の意味

日本語の「骨董」という言葉には二つの側面があります。現在一般的に使われる「希少価値のある古美術品や古道具」という意味に加え、「古いが価値がなく、役に立たないもの」という逆の意味も含まれています。江戸時代には、「骨董」が「雑多なもの」を指す言葉としても使われていました。

中国の「董」という漢字は「大切なもの」を指し、その語源を辿ることで、古いものが持つ価値を理解することができます。「骨董」という言葉は江戸時代中期から広まり、今では多くの人に骨董品に対する関心が高まっています。

骨董品の価値

骨董品は現在流通する商品ではないため、定価は存在せず、相場によって価格が決まります。価格は、年代や希少性、保存状態、作家の評価によって変動します。特にオークションなどでは買い手の価値観により価格が大きく変わることもあります。また、時代の流行や市場変化に応じて骨董品の価値が変動することも見逃せません。

骨董品の真贋判定

骨董品には偽物、すなわち贋作の問題が常に付きまといます。特に高価な骨董品は偽造のリスクが高いため、その本物であることを確認するためには専門知識が必要です。近年では、骨董屋という職業が真贋判断の役割を果たしていますが、巧妙に作られた贋作は専門家でも見抜くのが難しい場合があります。

似たような骨董品を選ぶ際は、売り手の信頼や作品の来歴に注意を払い、価格が異常に安い物件には特に警戒が必要です。密接な知識や理解が求められ、健全な取引を行うためには、自助努力が不可欠です。

骨董品は私たちの歴史や文化を感じさせる貴重な存在です。その価値や意味を理解し、大切に扱っていきましょう。

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