高津商会

株式会社髙津商会の歴史と発展

株式会社髙津商会は、小道具や美術装飾を専門とする企業で、主に映画や演劇の業界に深く根ざしています。日本の映画産業の黎明期から関わりを持ち、長い歴史を紡いできました。京都府の右京区に本社を構え、同市内で約130年以上の歴史を誇ります。

創業の起源

1887年頃、創業者である高津梅次郎が開いたのは「高津道具店」という個人商店でした。この店舗は、当初、映画や演劇のための道具を扱う商業施設ではありませんでしたが、1912年には横田商会による法華堂撮影所が近くに設立され、映画美術との関わりが徐々に生まれることとなります。この撮影所は、後に日活関西撮影所として改称され、株式会社髙津商会と密接な関係を築くことになります。

本格的な事業の展開

1918年には日活関西撮影所の移転に伴い、映画用小道具の本格的な貸出を開始しました。この年を同社の創業年として位置付けています。さらに、1921年には牧野省三が日活から独立し、牧野教育映画製作所を設立、これによって受注量が増加しました。1923年に関東大震災が発生し、東京の撮影所が閉鎖されると、現代劇の小道具の需要が高まり、松竹キネマといった他の映画会社からも多くの小道具を受注することとなりました。

映画産業の変遷と成長

1928年にはスタープロダクションが増加し、多くのプロダクションからの依頼が続きました。特に片岡千恵蔵プロダクションや嵐寛寿郎プロダクションへの受注が活発化しました。1931年には新たに合資会社高津小道具店を設立し、さらなる発展を遂げます。その後、1951年には株式会社高津商会へと改組し、同年東映の設立に伴い、同社の撮影所も東映京都撮影所へと名称が変更されます。

現在と未来

1980年には、より多くの映画制作会社とのアクセスを考慮し、現在の右京区太秦に本社を移転しました。2003年には第26回日本アカデミー賞において協会特別賞を受賞し、その地位を確立しました。現在も株式会社髙津商会は映画や演劇の小道具に関する高品質なサービスを提供し続け、業界の重要な一角を担っています。

映画美術のパイオニアとして、株式会社髙津商会は今後も日本の文化と映像産業の発展に貢献し続けていくでしょう。

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