鳥取県立図書館

鳥取県立図書館：地域と未来を繋ぐ知の拠点

鳥取県立図書館は、鳥取県鳥取市に位置する都道府県立図書館です。明治時代、遠藤董氏が開設した久松文庫を起源とし、1931年の開館以来、地域社会に貢献する図書館として発展を続けてきました。

充実した蔵書と多様なサービス

2019年度末時点で、100万冊を超える蔵書数を誇り、年間47万冊以上の貸出実績があります。個人利用者だけでなく、市町村、学校、団体など幅広い層に利用されています。資料購入費は年間約1億円を確保しており、人口1人当たりの購入額は全国トップレベルです。

図書館の運営理念は「県民に役立ち、地域に貢献する図書館」です。この理念に基づき、「仕事と暮らしに役立つ図書館」「人の成長・学びを支える図書館」「鳥取県の文化を育み世界に発信する図書館」「知の拠点としての図書館」という4つの柱を掲げ、多様なサービスを提供しています。

高い評価と数々の受賞

鳥取県立図書館は、その優れた活動から高い評価を受けています。

2012年、国立国会図書館による調査で、活動が優れている図書館として国立国会図書館に次ぐ第2位にランクインしました。
2015年、文部科学省「地方創生レファレンス大賞」で文部科学大臣賞を受賞しました。
* 2006年、2016年、2019年と3度「Library of the Year」を受賞。特に、県内図書館ネットワークの構築やビジネス支援サービスが評価されました。

歴史と歩み

鳥取県立図書館の歴史は、1890年、遠藤董氏が学校に自身の蔵書を提供して設立した「久松文庫」に始まります。その後、私立鳥取文庫、私立鳥取図書館を経て、1918年に鳥取市立図書館となり、1929年に鳥取県に移管され、県立図書館として1931年に開館しました。

1931年から1990年までは旧館で運営され、戦前には「鳥取読書倶楽部」「館友会」「子供のための会」などの活動を通して地域文化の醸成に貢献しました。日本十進分類法の導入や巡回文庫の開始なども行われています。戦後には分館の開設や図書館法施行による開架化、県人文庫の設置など、時代の変化に合わせて発展を遂げました。

1990年には新館に移転し、コンピュータシステムの導入、インターネットによる蔵書検索サービス開始など、現代的な図書館へと進化を遂げました。環日本海地域との交流事業も積極的に展開し、国際的な視野も広げています。

充実した施設とサービス

新館は、一般図書室、児童図書室、郷土資料室、環日本海交流室など、充実した施設を備えています。

サービス面では、市町村立図書館や学校図書館への支援、ビジネス支援サービス、医療・健康情報サービスなど、多様なニーズに対応する取り組みを行っています。特に、ビジネス支援サービスは全国的にも注目を集めており、数々の賞を受賞しています。

分館の歴史

鳥取県立図書館は、かつて米子、倉吉、日野、八頭、気高に分館を置いていましたが、現在はすべて廃止され、それぞれの地域には市町村立図書館が設置されています。これらの分館も、地域住民の学習と文化向上に貢献してきました。

未来へ向けて

鳥取県立図書館は、これからも地域社会のニーズに応える図書館として、情報提供、学習支援、文化振興の活動を展開し、地域住民の知的な生活を豊かにする役割を果たしていきます。デジタル化の推進、県内図書館ネットワークの強化など、未来を見据えた取り組みも積極的に進めています。

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