鳥越神社

鳥越神社の概要

鳥越神社（とりこえじんじゃ）は、東京都台東区鳥越にある由緒ある神社です。その成立は白雉2年（651年）に遡り、日本武尊を祀って創建されたとされています。当初は白鳥神社と呼ばれていましたが、源頼義と源義家が前九年の役でこの地を訪れたことから、名称が鳥越大明神に変更されたと伝えられています。

祭神について

主祭神である日本武尊のほか、合祀された神々として天児屋根命や東照宮公がいます。天児屋根命は、仁明天皇の御代に武蔵国司となった藤原氏の祖先を祀るために合祀され、また、東照宮公は関東大震災で焼失した松平神社から移されています。

鳥越神社の歴史

この地に日本武尊が皇祖を祀ったのは景行天皇の御代とされ、白鳥村と名付けられていました。白雉2年には村民により「白鳥明神」として奉祀されたのが始まりです。源頼義と義家父子がこの地を通過した際、白い鳥を目撃したことで、その功徳をたたえ、鳥越大明神とされたそうです。

江戸時代には三社の神社が立ち並び、敷地は広大で約2万坪にも及びましたが、元和6年（1620年）に江戸幕府によって土地が没収されてしまったのです。特に、大明神のあった鳥越山は埋め立てられ、その後の歴史においても様々な変遷を遂げました。熱田神社は今戸へ、第六天榊神社は森田町に遷され、残っているのが現在の鳥越神社です。

昭和20年の戦後、演劇評論家の安藤鶴夫によれば、宮司が出征兵士を見送った責任を感じ、境内で悲劇的な選択をしたというエピソードも伝えられています。

祭礼について

鳥越神社では、数多くの祭りが行われています。1月8日にはとんど焼きが、6月には例大祭（鳥越祭）が催され、6月30日には悪疫払いの「茅の輪くぐり」、7月1日には品川沖で紙の人形を流す「形代流し」が行われます。

特に例大祭では、千貫神輿が注目され、都内でも最大級とされています。本社神輿はその重さから、昭和初期以来「都内で最も重い神輿」と称されることもあり、氏子たちによって大切に担がれます。祭りの夜には提灯が灯され、その光景は幻想的です。特に「お化け神輿」とも呼ばれる神輿は、暗闇の中で揺れる提灯の灯りによって神秘的な雰囲気を醸し出します。

平成9年（1997年）には、東京湾横断道路アクアラインの開通を祝して、「関東三大宮神輿」として合同渡御が行われ、盛況を博しましたが、2020年以降は新型コロナウイルスの影響でイベントが縮小されていました。しかし2023年には4年ぶりとなる盛大な開催が実現しました。

地域とアクセス

鳥越神社は台東区の中心に位置し、周辺にもたくさんの氏子地域があります。交通は蔵前駅から徒歩でアクセスでき、また、台東区の循環バスも活用できます。特に、台東区の歴史と文化が詰まった場所として、訪れる価値は十分です。

今後も多くの人々に愛され続ける神社として、地域における重要な役割を果たしています。

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